アフター・コロナの時代を見据えた2022年度玉川大学観光学部リニューアル(Vol.3)
Vol.3「リージョナルリーダーコース」で学ぶということ
未来のまちづくりを担うリーダーを育成する
玉川大学観光学部には、観光ビジネスやホスピタリティを学びに全国から学生が集まっています。そのうち多くの卒業生が地元に戻って活躍しており、まちづくりや地域経済活性化に貢献しています。大学で身につけた観光やホスピタリティの専門知識、そして英語や国際感覚は、グローバルビジネスだけでなく地域振興でも大いに役立っています。
観光学部長の家長千恵子教授は、「日本が観光立国をめざすために地域がクリアすべき課題はまだまだたくさんあります。日本ならではの、あるいは各地域の魅力をもっとしっかりと海外に発信すること、そして日本を訪れた海外からの観光客が楽しめる世界標準の観光まちづくり……『リージョナルリーダーコース』では、これまでの観光学部の教育実績を踏まえ、高い英語力と国際感覚を備え、こうした課題に取り組み、未来のまちづくりを担うリーダーを育成したいと考えています」。
これまでの観光学部同様、「リージョナルリーダーコース」では充実した英語学修と1年間のオーストラリア留学で英語力と国際感覚を高めます。留学中の「海外インターンシップ」では、現地の観光ビジネスやホスピタリティの実際を体験。また、ツーリズム、ホスピタリティの専門科目に加え、ICTや会計など実践的なマネジメントスキルを学ぶ科目も開講し、将来を見据えたバランス良い学修に取り組むことができます。
「さらに学生が現地に足を運んでフィールドワークを行い、その結果と講義で学んだ専門知識をベースに各自治体に新しいまちづくりを構想、提案する『地域創生プロジェクト』のほか、今後国内各地の地域振興で中核的存在となる『観光地域づくり法人(DMO)』について学ぶ科目や、『MICE』と呼ばれる国際会議・展示会・見本市などの招致活動や集客、運営などについて学べる科目もあります。卒業後、地元に戻って地域振興のために働きたい人、就職先の企業や団体で国際会議やイベント運営などを手がけたい人など、いわゆる観光業界でなくてもこうしたツーリズム、ホスピタリティの専門知識を活かすことができるでしょう」
家長教授が「リージョナルリーダーコース」で学ぶ学生のモデルケースとして紹介してくれたのが観光学部3年生の栗林志音さん。青森県八戸市出身の栗林さんは、今年3月、地元である八戸圏地区の「観光地域づくり法人(DMO)」の大学生インターンシップに選ばれ、SNSによる情報発信やインバウンド事業に関する地域振興業務に従事。「将来は地元に戻るつもり」という栗林さんに話を聞きました。
学生インタビュー
コロナ禍をきっかけに地元の魅力を再発見しました
観光学部3年 栗林志音さん(青森県 八戸聖ウルスラ学院高等学校出身)
B級ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」をご存じですか?全国のご当地名物を食べ比べてグランプリを決めるこの地域おこしイベントは、第1回が私の地元である青森県八戸市で開催されました。そしてイベントの創設者の一人が私の大伯父だったのです。子どもの頃からそうした地域振興を身近で見て育ったせいか、私も自然と観光分野に興味を抱くようになり、「観光+英語」のカリキュラムに魅力を感じて玉川大学観光学部に入学しました。
1年生の時に家長先生が旅行会社時代に立ち上げた「大学生観光まちづくりコンテスト」に参加。当時、このコンテストの参加者は、観光に関する専門科目の授業を受けた2~3年生の先輩方でした。募集は入学して間もない頃だったのですが、「おもしろそう!」と参加の意志を家長先生に伝えたところ、私が1年生ではじめてのチャレンジだったと聞きました。埼玉県秩父市でのフィールドワークを行った私たちの発表は入賞を果たすことができ、とてもうれしかったです。
2年次のオーストラリア留学はコロナ禍のためリモートに。地元八戸から受講しました。残念ながら現地に行くことはできませんでしたが、グリフィス大学で学んだ観光とビジネス、システムシンキングなどの知識は、観光や地域振興に関する視野をぐっと広げてくれました。また、オーストラリアでは2032年夏季五輪のブリスベンへの招致活動が展開されており、現地の生の声を聞きながらスポーツツーリズムについての知見を広げることができたと思います。この留学体験を学部の後輩たちに伝えるため、仲間と語らって、オーストラリア留学プログラムのオンライン説明会を開催しました。私自身も受講前は期待とともに不安がありましたので、後輩たちの不安を少しでも解消してあげたいという思いからでした。
留学プログラム前半と後半の合間には、地元八戸市のDMO「VISITはちのへ」でインターンシップに参加しました。この時は「どうしても!」とお願いして実現することができました。私が大学生インターン第1号だそうです。オンライン留学だからこそかなえられました。情報発信等の業務に携わることで、高校の頃までは気付かなかった八戸の魅力を再発見するようになりました。
将来は八戸で、観光まちづくりの仕事ができればいいなと考えています。ただその前に経験やスキルを積みたいので、今のところ卒業後は東京の企業で働くつもりです。まだ学生生活は1年以上残っていますので、大学での学びと並行させて、全国のまちづくりやホスピタリティについて実践的に学びたいとも思っています。
玉川大学観光学部は学生と様々な観光分野の専門家である先生方との距離が近く、授業や留学、英語学修、そして卒業後の進路など、親身になって相談していただけます。観光学部に興味がある高校生の皆さん、夢や目標に向かって本気で取り組める環境がこの学部にはあります。「まちづくり」や「おもてなし」に興味があるのなら、ぜひ観光学部を目指してください。待っています!