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「ビジョン2030日産の新しいクルマのビジネスモデルを考える」をテーマに「7大学+α対抗プレゼンバトル2019」を開催。玉川大学は2位に!

2019.07.29

7月13日(土)、玉川大学 大学教育棟 2014にて工学部マネジメントサイエンス学科が主催する「7大学+α対抗プレゼンバトル2019」が開催されました。
マネジメントサイエンス学科の小酒井正和教授が担当する3年生必修の講義「ビジネスコンテンツ」の一環として開催されているこのイベントは今回で5回目。年々、参加校が増加しており、玉川大学のほか、専修大学、多摩大学、東北工業大学、東京国際大学、麗澤大学、淑徳大学の各ゼミ・講義の選抜チームに加え、東京都立晴海総合高等学校有志チーム、N高等学校仙台キャンパスの1名、成城高等学校鉄道研究部も参加しました。

今回のテーマは日産自動車株式会社様からのご協力を得て「ビジョン2030~日産の新しいクルマのビジネスモデルを考える~」。自動車産業が大変革期を迎えている現在、「人々の生活を豊かに」という日産自動車のビジョンを実現するビジネスモデルを学生たちに考えてもらいました。
ゲスト審査員はテーマ起案者でもある日産自動車シャシー開発部主担・林田辰也氏、経営コンサルタント・髙橋茂人氏、世界初のトイレ専門企画会社を設立した白倉正子氏、前回のテーマ起案者で株式会社ヤマチク専務取締役・山﨑彰悟氏の4名です。そのほかにも、当日お越しいただいた日産自動車の関係者、経営コンサルタント、経営学の研究者の方々も審査に参加してくださいました。さらにメディアの方々や一般の来場者も配布されたQRコードからWeb投票できるようになっていました。
また、日産自動車が令和になって初めて開催する大学生対象のビジネスコンテストの本戦に、今回の優勝者が予選免除でエントリーできるという特典もありました。
以下、当日の発表順に参加チームのプレゼン内容をダイジェストで紹介します。

1 東京都立晴海総合高等学校 有志チーム

「若者のクルマ離れに終止符を!」を合言葉に、最近話題のeスポーツを通して、クルマの魅力を若い世代にアピールするビジネスモデルを提案。ゲーム好きの20代をメインターゲットに、新しいものに敏感なJK(女子高生)・JD(女子大生)とのマッチングを図る高校生らしいアイデアと、高校がある晴海・月島地区の地域性も活かしたプレゼンテーションは「クルマの形にこだわらない若い世代らしい面白い発想」と評価されました。

2 淑徳大学・永井大樹 講義選抜チーム

2030年には3人に1人が高齢者。少子高齢時代を踏まえた「自動運転化による新しい流通サービス」「アクティブな高齢者のための自動車と家屋の企画統一」「自動運転による子供の送迎」「若者のクルマ離れの生活ニーズに応える気軽に利用できるシェアカー事業」などを提案しました。教育・福祉分野に強い大学の特性を活かした堅実なプレゼンテーションの組み立ては、審査員からも好評でした。

3 専修大学・岡田穣 ゼミ選抜チーム

社会の高齢化を見据えて高齢者・介護職員をターゲットとした人工筋肉を使った車いす「Weiβ(ヴァイス)」の開発をプレゼンテーション。基本機能である高齢者の自力移動とライフサポートに加え、オプションで高齢者同士の交流を促進する機能も追加できます。スマホアプリでユーザー同士が交流できる場(サイトやリアルイベント会場など)を提供したり、介護施設専用のAI・オプションの開発など、価格設定を含めたきめ細かな提案が好評でした。

4 N高等学校仙台キャンパス・北浦朱理

単身参加した女子高校生によるプレゼンテーション。地震災害現場でクルマが担う「輸送」「シェルター」「プライバシー」「エネルギー」「情報源」という役割に着目。被災ユーザーのクルマが集めた情報を集約し、情報マップ化した「防災でんでんむしマップ(仮称)」を提案しました。わかりやすい内容とプレゼンシートの明快なまとめ方が評価されていました。

5 東京国際大学・奥倫陽 ゼミ選抜チーム

クルマ本来の役割である“移動手段”と“くつろぎの空間”を融合させた「日産Car-fé」という新しいクルマのカタチを提案。自動運転技術を利用して移動中をカフェで過ごすようなリラックスできる時間にするために「五感マーケティング」の手法を駆使した車内空間作りを行いました。カフェ好きの20~30代をクルマに呼び戻す発想は審査員の方々も関心を寄せていました。

6 東北工業大学・伊藤光弘 講義選抜チーム(録音参加)

当日は都合により学生が参加できず、録音テープとスライドによるプレゼンテーション。「高齢者の移動困難」と「若者のクルマ離れ」という問題を同時に解決するために、自動車教習所の教習車をタクシーとして利用するサービスを考えました。高齢者、若年層、自動車教習所、そして日産自動車にもメリットがある4者WIN-WINのアイデアで「困っている」を助けるビジネスモデルを提案しました。

7 多摩大学・松本祐一 講義選抜チーム

近年、人気が高いカーシェアではなく、あくまで「所有」することにこだわった「NEW CAR LIFE」構想をプレゼンテーション。5G、AI、ビッグデータなど最新技術を駆使しながら、快適なプライベート空間で仕事とオフを両立させた新しい働き方を実現する「ワーケーション(work+communication)カー」を提案しました。「人生を楽しむためのクルマ」というコンセプトは会場の人々からも大いに共感を得ていました。

8 成城高等学校・鉄道研究会チーム

今回唯一のクラブ活動での参加。ふだんは鉄道を相手にしている生徒たちが、高齢社会から考える日産自動車のビジネスモデルを提案しました。免許証の自主返納と関連づけた中古車買い取り、江戸時代の宿場制度(伝馬制)になぞらえたバッテリーの交換・充電システム、シャーシ共通化によるボディ載せ替えなど、一つひとつのアイデアを掘り下げてプレゼンテーションする真摯な姿に審査員からも好意的な意見が寄せられました。

9 玉川大学・小酒井正和 講義選抜チーム

1台分の駐車スペースしか確保できない家庭でも全員が好きなときにクルマを運転できるようにするにはどうすればいいか? そんな発想から分裂・結合するクルマ「MIT」を提案しました。実際に段ボールで組み立てたMITをステージに持ち込み、メンバーによる寸劇風パフォーマンスを交えたプレゼンテーションを披露。拍手と笑いで会場を盛り上げました。住宅とクルマを一体化させるアイデアも審査員から評価されました。

10 麗澤大学・近藤明人 ゼミ選抜チーム

リニア技術と自動車とメガネ型端末による「日産流・極上の空間」を提案しました。無料のカーシェアサービス利用者のメガネ型端末を通して集められた日常の行動特性・情報をもとに移動中の快適な車内空間(眠りの導入、映画鑑賞、買い物、健康管理など)を実現。データを企業や医療機関に有償提供することで、購買率の向上や的確な診断・予防医療につなげます。利用者にはポイント付与などのメリットもあり、審査員から緻密なビジネスモデルとして高く評価されました。

すべてのプレゼンテーションを終えてからは、ゲスト審査員の採点に会場のWeb投票結果を加味した審査が行われました。審査員による協議は難航し、上位チームはいずれも僅差でしたが、最終的に以下の結果となりました。

第1位 専修大学

実現可能性が高いアイデアとわかりやすさ、ビジネスモデルにシステム思考を盛り込んだ点が高く評価され、栄冠を手にしました。日産自動車のビジネスコンテスト「Future Mobility Contest」(実行資金300万円)へのエントリーも決まりました。

第2位 玉川大学 イノベーション賞も受賞

やはり「もしかしたら実現するかも」という魅力的なアイデアと模型を使ったプレゼンのアピール度の高さが評価されました。

第3位 麗澤大学

ありがちなスマホではなくメガネ型端末を利用する発想としっかり構築されたビジネスモデルが高く評価されました。

敢闘賞(白倉杯) N高等学校仙台キャンパス

白倉正子氏からの特別賞。宮城県から女子高校生が単身乗り込んできた根性と堂々としたプレゼンテーションが評価されました。

2位となった玉川大学・小酒井正和 講義選抜チームに聞く粕川智寛・加藤渉・小西祐輝・高山紗綾・村田光史(いずれも工学部マネジメントサイエンス学科3年生)

今回のプレゼンバトルに際して「ビジネスコンテンツ」の授業でいろいろなアイデアを出したのですが、小酒井先生から「面白くない」とことごとく却下されてしまい、途方に暮れました。

そんなある時、メンバーの一人が「バラバラに分裂するクルマがあったら面白いんじゃないか?」とLINEを通して提案。それを見て「それ面白い!」「ぶっ飛んでていい!」と盛り上がりメンバー全員で、分裂・結合するクルマ「MIT」 のアイデアをまとめ上げていきました。

プレゼン資料を作っている途中で「MIT」の面白さはパワーポイントで伝えるより、実際に作った方が伝わると考え「作ってしまえ!」ということで、段ボールの「MIT」を作りました。プレゼンという場では納得してもらうだけではなく、聞いている人を面白がらせることもとても大切だと思います。そうした意味でも段ボール製の「MIT」によるパフォーマンスはやって良かったと思いました。

今回のプレゼン準備は、何度もアイデアを練り直したりしたので、当日ギリギリまでスライドの作り直しをしていました。ハードな日々でしたが、全員がビジネスプランを作るために必要な思考と準備について多くを学ぶことができたと思います。

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