社会教育実習の一環でラーニング・コモンズにて学生がダイバーシティに関する講座と展示の企画を実施しました

2019.12.25

講座の様子

社会教育実習の履修生が、12月3日にラーニング・コモンズにおいて「グローバルな視野で活躍するリーダーと共に考えるダイバーシティ」という講座を企画実施しました。ダイバーシティとは、国籍・年齢・性別・障害などの見える違いのみならず、経験・価値観などの見え難い違いも多様性として尊重する考え方であり、グローバルな企業では、多様性を積極的に生かすDiversity and Inclusion(D&I)が経営戦略に位置付いています。

講座には、企業で長年にわたりD&Iに取り組まれている方を講師にお招きし、本学の学生約30人がワークショップ形式で学び合いました。また、「ジェンダーパネル展」を11月22日~12月4日にラーニング・コモンズの入口で開催し、男女共同参画の観点からダイバーシティについて考えてもらう展示も同時に開催しました。

講座「グローバルな視野で活躍するリーダーと共に考えるダイバーシティ」

講師の梅田 恵 氏

日 時:12月3日(火)17:00~18:50
場 所:ラーニング・コモンズ 301-302教室
講 師:梅田 恵 氏(EY Japan株式会社)
参加者:教育学部・リベラルアーツ学部・文学部・芸術学部の学生約30名

講師の梅田 恵 氏は、2008年から日本IBM株式会社のD&I部門で女性・障害・性的少数派・外国籍・ワークライフ・世代に注目をした人事制度やプログラムの企画・開発を担当し、2019年10月からは世界4大コンサルティングファームの1つであるEY JapanでD&Iを推進する方です。ご自身の経験、SDGs等の国際的動向、日本における法律、企業での取り組みなどからD&Iの意義を説かれ、最後に、これから社会に出る学生に人生の歩み方のアドバイスもくださいました。

講座に参加した学生からは、下記のようなふり返りがありました。

  • 常に自分の考え、価値観を問い直し、アンコンシャスバイアスという無意識の偏見をしていないか、またそれによる発言をしていないか、考えて行動していきたいと思いました。
  • 私は4月から小学校の教員になります。子どもにかかわる際、男女というくくりで見ることなく、声をかけられる人になりたいと思います。
  • 選択に迷った時は、やったことのない方を選ぶという言葉が印象的でした。私は人に流されやすいので、自分らしく生きていきたいと思います。

パネル展示「発見!ジェンダー」

展示の様子

期 間:11月22 日(金)~12月4日(水)
場 所:ラーニング・コモンズ 入口

ジェンダーパネルとは、暮らしや社会に潜むジェンダーが描かれたイラストパネルであり、「第4次男女共同参画基本計画」の12分野を基に現代社会の課題を示したものです。
パネルと共に、ジェンダーに基づく仕事・育児・LGBT・教育の課題に関する新聞記事を貼り、ジェンダーを身近な課題として捉え、男女共同参画の在り方を考えてもらう工夫をしました。

「発見!ジェンダー」パネルの内容(公益財団法人日本女性学習財団「発見!ジェンダー」パネル展の説明より抜粋)
パネル展の準備
学生の関心が高かったパネル

パネル展では、パネルに描かれたジェンダーに基づく社会的課題の理解を深める資料を提示するとともに、見学者が気になるパネルにシールを貼る参加型展示にしたところ、「大学進学…男女でまだ差があるの?」というパネルにシールを貼る人が多かったです。

また、パネル展の感想や日常にあるジェンダーについて書いてもらったところ、下記のような意見がありました。

  • 男女差別以外にも様々な問題があることを知った。
  • 学生の間は男女平等と思っていたが違ったかも。私も理系に行きたかったが、親に女の子だから文系に行きなさいと言われたことを思い出した。
  • 「女のくせに…」と言われたくないのに、実は心の中で「男のくせに…」と思っていたりする自分がいる。文化からくる偏見とはいえ、それは男性にも女性にも生きにくい不幸なことである。誰にとっても生きやすい時代になるために、まずは自分の中の偏見に目を向けてみようと思う。

知を共有し学び合うラーニング・コモンズ

学生が講座を進行する様子

本講座とパネル展を企画したのは、社会教育実習の履修生です。社会教育を学ぶ中で、様々な社会的課題を解決するためには、多くの学生と課題を共有し学び合いたいという思いが芽生えてきたことと、児童館での実習を通して様々な事業が企画実施されるプロセスを学ぶ中で、自分たちも学生向けの企画をしてみたいという思いに至ったそうです。

社会教育実習を指導した教育学部の中村香教授にお話を伺ったところ、講座が実施された12月3日は、1982年12月3日に国連総会で「障害者に関する世界行動計画」が採択されたことを記念する「国際障害者デー(International Day of People with Disability)」であり、12月3日~9日は障害者基本法で障害者週間と定められているそうです。また、翌日の12月4日~10日は、1948年12月10日に世界人権宣言が採択されたことを記念する「人権週間」であり、「人権尊重に基づくD&Iについて改めて捉え直す期間に先立ち、学生が学生向けに本企画を実施したことは、時宜を得た取り組みであるとともに、学んだことから自分たちにできることを考えて実行した行動力が素晴らしい」と語っていました。
また、ラーニング・コモンズという、学生自らが主体的に学び合い知を生成する空間があるからこそ、学んだことを他の学生にも伝えて社会的課題の解決に資する学び合いを展開したいと考えることに繋がったのではないかとのことでした。
社会教育を学んだ人には、学修成果を広く社会で生かすことが求められているそうです。学生は今回の企画で、その一歩を踏み出したと言えます。今後もラーニング・コモンズを活⽤し、学⽣が主体性や協働⼒を発揮して学び合い、それぞれの分野で活躍してくれることを期待します。