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ESTEAM教育の要素も取り入れつつ芸術学部の学生が今年も取り組んだ、町田マルイのウィンドウディスプレイ。

2021.12.17

玉川大学芸術学部では「芸術での社会貢献」として、産官学連携によるプロジェクトを数多く実施。そこでの経験を通して、学生たちが実践力を修得することを目指しています。そうした活動の中で2018年から行われているのが、町田マルイ(株式会社 丸井グループ)の、クリスマスシーズンのウィンドウディスプレイです。メディア・デザイン学科の学生たちが「メディア・デザイン・プロジェクト」として毎年担当してきましたが、本年度は林三雄教授のゼミ活動として取り組むことになりました。

JR側
小田急側

装飾を行うのは、小田急線町田駅とJR町田駅をつなぐ公共通路(ペディストリアンデッキ)に面した二箇所のウィンドウです。12月から1月まで展示されていた昨年までと異なり、本年度は年内のみに。期間は短くなりましたが、逆にクリスマス感を出しやすくなりました。そこで「光と影が作る世界、おうちで過ごすクリスマス」をコンセプトに、デザイン案を作成。こうした今回のプロジェクトの概要や狙いについて、林教授から話を聞きました。

撮影時のみマスクを外しています

「ゼミの4年生のみで製作することになったため、人数が10名と昨年よりも少なかったり、自分たちの卒業制作と重なっていたりと、プロジェクトが始まるまではいくつかの不安要素がありました」と林教授。そうした中でも7月末からプロジェクトがスタートすると、夏休み期間中も学生たちは精力的に活動を進めていきました。林教授からの「町田マルイさんのイメージは?ターゲットは?」などの問いかけに学生たちは具体的なキーワードをだしてイメージを膨らませていきます。そのようなブレーンストーミングを行ったあと、ふさわしいコンセプトの方向性やデザイン案の検討を重ねていきました。10月末には町田マルイの担当者に向けて、プレゼンテーションを実施。コンセプトやそこから考えたデザイン案などを説明しました。

町田マルイ担当者へのプレゼン

「光のサーカス」というコンセプトで数年間行われてきたこともあり、当初はそのコンセプトを踏襲するつもりだったという学生たち。林教授に「ゼロから考えていい」と言われたことで新たなコンセプトが生まれ、発想も広がっていきました。
「今回は、JR側を『光』、小田急側を『影』というテーマでウィンドウディスプレイを表現しました。具体的には、JR側はギフトボックスをイメージした箱にクリスマスや冬をイメージさせるモチーフを浮かび上がらせたり、陶器のランプやガラスのオーナメントで華やかに演出。一方の小田急側は北欧のクリスマス装飾であるヒンメリに光を当てることで、映し出される影の動きを見せるといった内容になっています」と林教授。

JR側
小田急側

小田急線側「影」の演出サンプル


JR側「光」の演出サンプル

それらの演出を実現させるため、ギフトボックスについては、大学3号館に隣接する木工室の協力を仰ぎ、モチーフに関してはSTREAM Hall 2019メーカーズフロアの工学部教員の協力を得てレーザーカッターで制作しました。さらに今回のデザインのアクセントとなる陶器ランプやガラスのオブジェはConsilience Hall 2020のガラス工房や陶芸工房で担当教員と打合せを重ね、実作業にも学生が挑戦しました。技術的に学生だけでは制作できないものもなかにはありましたが、具体的な制作指示を出すことで、ディレクターやデザイナーが業者に発注するような疑似体験もできました。

このようにさまざまな分野が融合して一つのディスプレイを制作しており、まさに玉川大学が提唱するESTEAM教育の要素が取り入れられたプロジェクト内容となりました。

制作の様子

林教授は、今回のウィンドウディスプレイプロジェクトの教育効果について「最近は、パソコンのモニタ上のみでデザインが完結することも少なくありません。そうした中で自分たちの手を動かしてものを作っていく今回のプロジェクトは、いい経験になったのではないでしょうか。またコンセプトに沿ってゼロからものを作り出していく『デザインシンキング』という考え方は、ビジネスの分野でも重要視されています。クライアントの意向も踏まえつつ、スケジュールもしっかりと組み立てて制作に取り組んだ今回の経験を、社会に出た後も役立ててほしいですね。」と語ってくれました。

実際にプロジェクトに参加した学生にも話を聞いてみました。

撮影時のみマスクを外しています

「2年前にもこのプロジェクトに参加しました。今回は全体の総括や広報を担当し、プレスリリースを作成したり、プレゼンテーションの際も学生代表として説明を担当。その際には町田マルイの方からヒンメリやガラスのオブジェのサイズ感について指摘をいただき、どの程度の大きさであれば道行く人の目にとまるのだろうかといったことも改めて考えることができました。また、学生同士で緊密に連絡を取り合い、スケジュールに沿ってプロジェクトを進めていくことの大変さ、大切さも実感しました(小澤紗瑛さん)」。

撮影時のみマスクを外しています

「ガラスのオーナメント製作に関するまとめ役を担当しています。ガラス工芸に関してはまったくの未経験だったので、芸術学部の栗田絵莉子先生に相談しながら、ガラスの造形物内に線を入れたり色を加えるといった技法をアドバイスいただき取り入れていきました。前回のプロジェクトにも参加しましたが、今回は参加人数が林教授のゼミ生10名のみと少ないため作業も多く、卒業制作と並行して行っている点が大変ですね。役割分担をしっかり行って、時には一人で登校して製作することもありました。ただ、少人数なので意見も言いやすく、また方向性も決めやすいので順調に進んだと思います(門脇毬絵さん)」。

「コロナ禍でもおうちで楽しく過ごす冬、冬の季節の美しさや光の暖かさ」を演出に取り入れた今回のウィンドウディスプレイプロジェクト。学生10名で作り上げたディスプレイは、12月11日(土)から26日(日)までの期間、町田マルイ・モディのウィンドウを華やかに飾ります。町田にいらした際は、ぜひ足をお運びください。

学生制作のポスター

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