廃材を使い、古い校舎の記憶を作品へと落とし込む。芸術学部学生と教員による「解体による再構築展」。
11月15日(火)からSTREAM Hall 2019において、芸術学部の学生と教員による「解体による再構築展」が開催されました。
この展覧会では、玉川学園旧本部棟と玉川大学8号館(工学部校舎)の解体に伴い発生した廃材を、アート作品として「再構築」し展示しました。今回出品した芸術学部学生の有志15名および教職員5名は実際に解体現場に赴き、そこに残された廃材や音、映像などを採集。独自の視点で作品に仕上げました。
玉川学園に現存する最も古い建造物は1929(昭和4)年に建てられた礼拝堂ですが、旧本部棟は1943(昭和18)年建造という、二番目に古い建物でした。かつては学長室として使われ、近年はキャンパス セキュリティ センターや管財部門としても使用されてきました。また工芸室としても使われ、その木造の校舎は芸術学部にとっても馴染みの深い建物でした。
一方の大学8号館は1963(昭和38)年に建設された、主に工学部が使用していた校舎でした。玉川学園の施設の中でも屈指の規模を誇り、松陰橋からまっすぐに伸びた道の先に建つその姿を覚えている方も多いと思います。大人数が聴講できる教室もあり、工学部以外の学生も12月の第九の合唱の練習で利用していました。
どちらの施設もその役目を終え、現在も解体作業は続いています。
今回は解体を担当する建設会社や学園管財課の協力の下、まず学生と教職員で解体現場を訪れました。旧本部棟では歴史を感じさせるさまざまな資料や物品、木造建築の梁、増築した痕跡などを見ることができました。また大学8号館内には巨大なコンクリート空間が広がり、廃材が美しく積み上げられた様子を見学。その空間自体が持つ現代アートのような雰囲気を感じつつ、その中に隠された創作の「種」を探すことから、作品作りをスタートさせました。
こうして採集したコンクリート片や金属片だけでなく、現場で撮影した映像や録音した音なども作品の題材に。廃材をダイレクトに使用した作品から、一見すると廃材とは分からない作品まで、個性豊かな作品が揃いました。長年親しまれた校舎を偲びつつ、廃材を「再構築」し表現した作品群や、そこに込められた意図、想いをぜひ感じ取ってもらえればと思います。
Tamagawa Art Gallery Projects 2022-2023 No.9解体による再構築展
- 期間:
2022年11月15(火)~11月25日(金)
11:00-19:00 土・日曜日休館 入場無料 - 場所:
玉川大学 STREAM Hall 2019 1F・2F・3F・5F
(東京都町田市玉川学園6-1-1 小田急線「玉川学園前」駅より徒歩10分) - ●Gallery Talk:
11月18日(金)17:00~ 展示会場にて
予約不要
【出品者】
石倉聡乃、小川隼季、兒島朋笑、齊藤真裕、下上美咲、鈴木純郎、鈴木将之、竹迫あすか、都築健司、土屋香、野澤広、林星輝、深澤汐里、松永秀、南俊輔、望月杏香、渡辺楓子
【指導・監修】
栗田絵莉子 児玉沙矢華 八木澤桂介