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Z世代を動かすマーケティングはこれだ! 学生の提案に現役社長も熱くなる。―工学部マネジメントサイエンス学科の学生がBRAIN MAGIC代表 神成氏にプレゼン―

2025.08.21

大学生がビジネスの現場に挑戦する「ビジネスコンテンツ」

顧客の心理や行動を深く理解して、マーケティング戦略を立てるビジネスの世界。そこに正解はなく、社会の変化に応じてアプローチを続けなくてはなりません。
そのマーケティング戦略に大学生がチャレンジするのが、工学部マネジメントサイエンス学科3年生の授業「ビジネスコンテンツ」です。小酒井正和教授が企業の経営者を招き、そこで提起された課題に対して学生たちが解決策を提案します。

今年度の講師は、株式会社BRAIN MAGIC(ブレインマジック)の代表、神成(かんなり)大樹さんです。
BRAIN MAGICは、クリエイター向けの革新的な入力デバイスを開発・販売するベンチャー企業で、「Orbital2(オービタルツー)シリーズ」や「Luminella(ルミネラ)」を展開。これらの製品をテーマに、学生たちはZ世代に向けたマーケティング戦略を考えました。

授業は2025年4月に開講し、ビジネスデザインに必要な発想と表現を学んだ後に、グループでビジネスプランを考案。そして7月17日、その集大成として神成さんの前で最終プレゼンテーションを行いました。

当日、玉川大学を訪れた神成さんは、学生たちを前に「大学を卒業して創業し、約10年間会社を経営してきたなかで、当時プレーヤーとして実感していた市場と自分自身がずれてきていることを感じています。改めて、みなさんの若い知恵をお借りしたい。今日は発表を心から楽しみにしています」と挨拶しました。

神成さんを熱くさせた、現実的なマーケティング戦略

プレゼンテーションは、5つのチームがそれぞれ10分の持ち時間で行いました。
対象製品のOrbital2シリーズは、クリエイティブワークの作業効率を上げ、疲労を軽減させる左手入力デバイスで、Luminellaは、日常のパソコン操作を補完して快適な作業環境を提供するデバイスです。それらを売るためにデジタルネイティブと呼ばれるZ世代にどうアプローチすべきか? 各班は市場を調査し、製品の利益率を基に広告予算を立て、効果的な施策を考えました。

キャラクター・デザインを学ぶ学生を対象に、専門学校で体験的に使ってもらう施策を提案したのはA班です。「触ればわかる、この作業革命。」というキャッチコピーも考えました。
D班のターゲットも大学と専門学校ですが、こちらは製品を気に入った教員が講義で使い、学生が購入するとアフェリエイトが支払われるというアイデア。
C班の対象もやはり大学生クリエイターで、その施策は、SNSでのショート動画展開と学生限定のサブスクレンタルプランでした。

発表後に行われた評価で神成さんはズバリ言いました。「実は、今年4月から学校の授業で使ってもらっていて、先生の推奨度がかなり大きいことがわかってきています」
BRAIN MAGICも学校にアプローチをかけていたのです。ただし、「学校はコミュニケーションコストがかなり膨大にかかるんですね」と話し、今後については検討しているとのこと。そこに出されたのがD班の学校に報酬を出すアイデアだったので、神成さんは、「これは私たちになかった視点です。こういったやり方で、改めて学校への展開ができるのではないかと思いました」とうなずきながら話しました。

また、7月からはワーキングスペースにおいてLuminellaの無料貸し出しも始まったそうです。このワーキングスペースについては、B班が同様の提案をしていました!
B班はTikTokでの運用も考え、あるドリンク商品が味ではなく「リズミカルな音楽と映えの体験」で多くの人に認知された例を挙げました。
神成さんは、「私たちがSNS を活用しようとすると、プロのクリエーターを使って商品の良さをアピールしたりブランディングをしたりします。そこから離れてZ世代に刺さるような映像をつくる視点はなかったので、この提案を中心に社内で議論したいと思います」と感心していました。

そして、神成さんが、「非常にプレゼンテーションが素晴らしい」と評価したのがE班です。
E班は、BRAIN MAGICがTikTokを活用していないことを指摘して、「本日、アカウントをつくりましょう!」と呼びかけました。そして、Orbital2を使った広告動画をつくるコンテストを実施し、優勝者の作品をYouTube広告として利用する施策を提案。予算をまとめたプリントを神成さんに手渡しました。
「コンテストで広告動画つくるって、すごく頭が良いというか、これすぐにでもやってみたいな、と思いました。E班の施策は時間もお金もかけやすいので、実際に社内でテストしたい気持ちになっています」と熱く語りました。

ひとつのゴールに辿り着き、そして次の扉が開く

この授業の目標は「正解が用意されていない課題の解決」です。
そこに向けてこの半年間、学生たちは「実現可能性」「持続可能性」「新規性・独創性」を備えたマーケティング戦略を考えてきました。
神成さんは、「どれもプロの人たちの企画に近く、さらに、私たちに足りなかったものが出てきたので、ちょっと感動に近いです」と総括。そして、「社内で予算を用意しますので、学校の許可をいただいて次のステップに進めないでしょうか」という、素晴らしいオファーまでいただきました。

小酒井教授は授業の冒頭で、「会社の組織に入ると責任は重くのしかかるが、いままでやっていないことにチャレンジさせてもらえる。そこでは人に伝えて合意をとっていく過程がすごく大事」と話しました。
この日、神成さんから高い評価をいただいたことで、学生たちはひとつのゴールに辿り着き、社会に出る自信につながったのではないでしょうか。

実は、神成さんは小学部から大学まで玉川学園・玉川大学で学び、芸術学部アート・デザイン学科を卒業した先輩です。
神成さんは最後に、学生一人ひとりにオリジナルのクロッキー帳を手渡しながら、「私たちはつねにクロッキー帳を使用しています。みなさんもアイデアやスケッチをこれにまとめてください」とアドバイスしました。そして、温かい眼差しで「みなさんが社会に出た時に、私たちが力になれるように、引き続きつながっていきたいです」と締めくくりました。

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