『全人』2019年7/8月号 No.840より
2019年7/8月合併号 No.840
高度情報化したグローバル社会が求めるのは、国際感覚を備え、自他の多様性を尊重して、個性や差異を寛容に認め合い、他者と協働しながら問題解決に取り組める「力」を備えた人材です。特集では「多様性を考える」をテーマにトランスジェンダー活動家の杉山文野さんにインタビュー。本学の教員・研究者にも話をうかがいました。本学の学生支援センター、保健センター 健康院などによる多様性への取り組みや担当者の声も取り上げました。「研究エッセイ」のテーマは桜。有名な染井吉野や秋に咲く十月桜など、学内で見られる品種やそれぞれの植栽場所をリベラルアーツ学部の谷本亮教授が紹介します。
表紙写真=岩崎美里
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ぼくは本を読むのが好きだし、いろんな国を旅したし、人に会うのも好きです。本や旅や人との出会いで何がわかるかといえば、この世界には、いろんな人がいるのだ、多様な文化や考え方があるのだということです。
LGBTも多様な個性の中のひとつです。ぼくたちは、LGBTが自分らしく誇りを持って、前向きに楽しく生きられる社会の実現をめざして、毎年、東京レインボープライドというイベントを開催しています。最近ではLGBTの当事者だけでなく、親に連れられた子どもの姿も目にするようになりました。「学校では教えてくれないけど、ちゃんと知ってほしいから」と。- *LGBT:
セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつ。Lesbian(女性同性愛者)、Gay(男性同性愛者)、Bisexual(両性愛者)、Transgender(心と体の性が一致しない性別越境者)の頭文字をとった言葉
「誰かを傷つけてしまう前に多様な個性を知ってほしい」
トランスジェンダー活動家 杉山文野 p4 - *LGBT:
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今年、玉川学園は創立90周年を迎えました。まさにその記念の年に相応しい入学の式典を満開の桜と共に祝うことができたのは何よりです。そして、この桜並木は昭和4(1929)年の開学の時に植栽されたとされています。この90年間の長きに渡り桜並木はどれほど多くの幼小中高大の新入生とご父母を迎えてきたのでしょう。
この桜並木の桜は「染井吉野」です。一般的に樹木の寿命は遺伝的に定められてはいないとされています。桜の中にも千年、二千年とも言われる古木がありますが、「染井吉野」は概ね80~100年程度で衰退すると言われています。もし、そうであればこの桜並木はその寿命が近いのかもしれません。しかし、今年もそのような衰えを感じさせないくらいたくさんの花を咲かせて私たちの眼を楽しませてくれました 。研究エッセイ「桜と共に迎えた玉川の記念日」谷本 亮 p22
目次
- [特集]多様性を考える
interview 誰かを傷つけてしまう前に多様な個性を知ってほしい
トランスジェンダー活動家 杉山文野
「生物」 農学部 吉川朋子
「移民」 リベラルアーツ学部 山田亜紀
「文化」 文学部 Marco Gottardo
「観光」 観光学部 家長千恵子
「学び合い」 教育学部 中村 香
「質感」 脳科学研究所 小松英彦
教育探訪【番外編】 多様性の循環…中西 茂
玉川大学の学生支援
故きを温ねて 69 「愉快にやつているということ」…白柳弘幸 - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 研究エッセイ
桜と共に迎えた玉川の記念日…谷本 亮 - 玉川発見伝 21
アトラス池…モリナガ・ヨウ - Teaching @ Tamagawa 7
Daddy's pronunciation vs. Mother tongue…Kevin Song - 数字でみる玉川 7 学友会会員数
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