『全人』2019年10月号 No.842より
2019年10月号 No.842
特集の「クラブ活動のリーダーたち」では、大学のクラブ活動で主将・主務をつとめる学生7名にインタビュー。陸上競技部 女子駅伝チーム、剣道部、ゴルフ部、合唱団、茶道部、教育環境研究部をまとめるリーダーたちの姿に迫りました。「研究エッセイ」では児童福祉の現場で長く子どもたちと関わってきた教育学部の渋谷行成教授が、いま切実に求められている教育者、保育者の役割について語ります。「玉川の先輩を訪ねて」には鉋(かんな)鍛冶の三代目 千代鶴貞秀さん(文学部芸術学科2001年卒業)が登場。彫刻を学んだ学生時代、卒業して職人の道に進み、名工の技を継いで三代目を襲名するまでの歩みや、仕事や次世代への思いなどをうかがいました。
表紙写真=岩崎美里
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個々のメンバーの走りに加えてチーム内のつながりが求められるのが駅伝。キャプテンの役割は、同じ目標に向かって走れるように、みんなをまとめることだと思います。
私の理想は走りで引っ張るキャプテンなのですが、当初は結果が出なくて、何を言っても説得力不足なのではと悩みました。でも今年の春、「私がしっかり走ればチームは大丈夫」というくらいの気持ちになってから、自然と結果が出るように。リーダーとして、開き直りが必要だったんですね。(略)
下級生も含め、日頃の意思疎通を密にして課題を共有し、助言できるようにしています。全員が自主性と向上心を持ち、強くなるための方法を考えている ― それが私たちの良さ。だからこそ一体感もあります。「走りでチームを引っ張りたすきをつなぐ」
大石 楓 キャプテン p4 -
大学までの学びは1+1=2と式にできた。でもそんな式すらないのが職人の世界。目で見て自分でやることを繰り返して答えを探り、仕事の手際の良さにつなげていきます。
荒研磨にかぎらず、鉋の厚みや火加減、叩いたときにどれだけ鉄が伸びるかなど、自分の中に「ものさし」をつくることなくして職人の技は身につきません。その目盛りは精神的なものですが、ここが狂うようでは使い物にならない。言い換えると、作業の反復を通して、自分の中に型をつくることが必要なんです。この型がないと、自分がつくったものの良し悪しの判断もできないのです。
鉋を熱してその裏の部分をならす「火造り(ひづくり)」、それを冷まして削りやすくする「焼鈍(やきなまし)」といった製造工程すべてに携われるようになったのは、弟子入りから7年後のことでした。玉川の先輩を訪ねて 81
鉋鍛冶 三代目 千代鶴貞秀 p22
目次
- [特集]クラブ活動のリーダーたち
陸上競技部 女子駅伝チーム 教育学部教育学科4年 大石 楓
剣道部 教育学部教育学科4年 原田 徹
ゴルフ部 観光学部観光学科4年 石井航平
合唱団 教育学部教育学科4年 堀口隆之介/文学部英語教育学科3年 河手はるか
茶道部 農学部生産農学科3年 川又靖裕
教育環境研究部 教育学部教育学科3年 秋山真聖
玉川大学クラブ活動リスト
主将会・主務会と運営委員会の活動
故きを温ねて 71 「青年國芳の課外活動」…白柳弘幸 - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 研究エッセイ
教育者、保育者の役割…渋谷行成 - 玉川の先輩を訪ねて 81
鉋鍛冶 三代目 千代鶴貞秀【文学部芸術学科2001年卒業】 - 玉川発見伝 22
玉川池…モリナガ・ヨウ - Teaching @ Tamagawa 8
The Importance of Learning “Englishes” …Rasami Chaikul - 数字でみる玉川 8
クラブ・サークル入部学生数 - 今月の一労作 53
通信教育課程 学生会 - キャリアナビゲーション ’19
株式会社群馬銀行 津久井智也さん+就活Q&A - 学園日誌…小原芳明
- Book Review 172 『ホルモー六景』…本田章子
- 教育博物館館蔵資料紹介 324 「メンカブリインコ」…菅野和郎
- 玉川の仲間たち 「ハクトウワシ」…關 義和