『全人』2019年11月号 No.843より
2019年11月号 No.843
IBプログラムとは国際的な視野をもつ人材の育成をめざし、スイス・ジュネーブに本部を置く非営利団体IBO(International Baccalaureate Organization=国際バカロレア機構)が1968年に創設した教育プログラムです。玉川学園は2007年よりIBプログラムを導入し、現在は7~12年生が世界標準のプログラムで学んでいます。生徒たちの1日、授業、カリキュラムのほか、大学合格実績や行事・研修なども紹介。全人教育の伝統に根ざした玉川のIBプログラムを特集します。「研究エッセイ」はK-12・大学の剣道部を指導する佐藤二郎教諭が執筆しました。創立期より続けられてきた “人づくりの剣道”の伝統を、歴代の指導者たちの思い出とともに振り返ります。
表紙写真=岩崎美里
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生徒が探究的に学ぶこと、学び続けることの重要性など、玉川の教育とIBプログラムには親和性があります。たとえば全人教育において掲げる6つの価値のひとつ「真」は、知そのものをあらゆる観点から問うDPの「知の理論」に通じます。
IBでの学びは非常に高度で、大学レベルの内容も含んでいます。多くの生徒にとって第2言語である英語を使った学びはタフなはずです。それでも6年間にわたり挑戦し続ける生徒全員を私たち教員は誇りに思っています。(略)
玉川のIBプログラムで学び終えた生徒には、未知の世界に飛び込んでいけるだけの知識、スキル、柔軟性が備わっています。やりたいことが何であっても、失敗を恐れず挑戦する「人生の開拓者」となってグローバルに活躍できるはずです。「探究型の学びで挑戦し続ける人生の開拓者に」
IBプログラムディレクター ウィリアム・ユーリカー p6 -
剣道界で「勝負師」と言われた祖父でしたが、玉川では学生たちにこう言い切っていました。「試合に勝つための剣道は必要ありません」「正剣を学びなさい」「まっすぐ大きく『気位』が大切です。大名の剣道をしなさい。足軽のような剣道ではだめです」
祖父は、全人教育を受けた若者が、やがて社会に出て剣道の指導者になることを考えました。勝ち負けにこだわらない調和のとれた人間を育てる意味で、指導していました。
「指導者には品格が必要である。『強い剣道』であるとともに『気品のある剣道』を身に着けて社会で活躍して欲しい」という願いがあったのです。研究エッセイ
「創立期から続く端正な心を育てる玉川の剣道」佐藤二郎 p22
目次
- [特集]IB Programmes at Tamagawa
MYP 7年生の1日/DP 11年生の1日
IBプログラムの学び「探究型の学びで挑戦し続ける人生の開拓者に」
IBプログラムディレクター ウィリアム・ユーリカー
MYP 9th & 10th Grade English/DP 11th Grade Economics
IBクラスの卒業生 & 大学合格実績
IBの行事・研修
数字でみるIB
IB教員になるために
故きを温ねて 72
「学問を掘って行く掘り方が尊いのだ。究めて行く力が尊いのだ。」…白柳弘幸 - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- EDUCATION REPORT
玉川学園音楽祭(5~12年生) - 生涯学べ 60
和田典之 クオリスキッズ亀戸保育園園長 - 研究エッセイ
創立期から続く端正な心を育てる玉川の剣道…佐藤二郎 - 玉川玉手箱 23
未来の片鱗…小北麻記子 - 教育探訪 9
SDGsとIBの相性…中西 茂 - キャリアナビゲーション ’19
株式会社ユニバーサル園芸社 髙井悠介さん+就活Q&A - 学園日誌…小原芳明
- Book Review 173 『数学ガール』…中村文耶
- 教育博物館館蔵資料紹介 325 「オオタカ」…柿﨑博孝
- 玉川の仲間たち 「ユウコクラン」…山﨑 旬