『全人』2010年1月号 No.735より
2010年の新年号は、小原芳明学園長・学長の挨拶に続き、巻頭で玉川大学グローバルCOEプログラム主催の特別シンポジウムを取り上げました。「ギャンブル、経済、脳科学」をテーマに、人間はなぜリスクを伴う行動を選ぶのかを考察。パネリストに高橋源一郎氏(作家・評論家)、坂井克之氏(意思決定脳科学)、西條辰義氏(神経経済学)を迎え、本学脳科学研究所の坂上雅道教授が導入講演と司会を務めました。その徹底討論を誌上でご紹介します。
また、大学コスモス祭は各学部展と課外活動展の学生実行委員長が、力を入れてつくりあげた大学祭のそれぞれの企画テーマなどを寄稿してくれました。たくさんの写真とともにご一読ください。
好評連載「家庭力」では、北京オリンピックの陸上400メートルリレーで銅メダルを取り、日本中を感動させた朝原宣治選手にインタビューしました。女子駅伝チームの健闘やラウンドスクエア国際会議など、学園ニュースも充実させてお届けします。
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私たちの行動はすべて選択の上に成り立っています。選択のためのモノサシとなるのが「価値」です。脳はさまざまなものの「価値」を比較できる形に作り変えて、自分はどちらに幸せを感じるかを検討した末に、行動の意思決定を下します。今回のシンポジウムのテーマを「ギャンブル、経済、脳科学」としたのも、ギャンブルの根本には「選択」があるからです。損をするかもしれないリスクが分かっていながら、なぜ人間はギャンブルに夢中になるのか? その理由を探ることで、脳の中での価値の形成や意思決定の仕組みが、より明らかになるはずだと考えたわけです。
「ギャンブル、経済、脳科学/シンポジウム開催にあたって」 坂上雅道 p4
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僕は「100メートルは人間力」だと思っています。単に体だけ、トレーニングだけでは勝てない。人にはそれぞれ性格や体型の違いがあり、それらをひっくるめて、総合的な力のある人がレースに勝ち、強い時期を持続できるのだと思います。ここ一番の大事なときに力を出し、力を維持するには、プレッシャーとの向き合い方や、体のコントロールについて、何よりまず、トータルに自分を知ることです。(略)人に指導してもらうことも必要ですが、自分自身が自分のことをちゃんとわかっていないと、ぶれてしまう。やらされているだけで、身にはつかない。陸上はいかに体の隅々に耳を澄ませられるかが勝負です。自分を見つめ向き合って逃げないとか、きちんと生きているかとか、総合した力が、競技者のパフォーマンスにつながると思います。
「家庭力30/朝原宣治」 p22
目次
- 新年ご挨拶…小原芳明
- 玉川大学グローバルCOE特別シンポジウム
ギャンブル、経済、脳科学
人間はなぜリスクを伴う行動を選ぶのか?
高橋源一郎×坂井克之×西條辰義×坂上雅道 - 学園ニュース
- [大学]第27回全日本大学女子駅伝で玉川女子駅伝チーム9位
- [K-12]ラウンドスクエア国際会議に参加…榑松史人
- [K-12]9年生金融教育 新しい「富」の教育への挑戦…硤合宗隆
- [大学]芸術学部ビジュアル・アーツ学科 ミュージアムプロジェクト「あふれるから」に参加
- 玉川大学 コスモス祭2009
- 見つめる&見つめ直す…家庭力 30
朝原宣治 北京オリンピック陸上400mリレー銅メダリスト・大阪ガス
- On Demand Education Report 8
工学部「PBLプロジェクト」…岡田浩之
- 玉川の丘、再発見 30
去年今年を貫く 創立80周年記念式典…白柳弘幸
- Book Review 66
『こころ』…福島毬子
- 玉川学園のユニバーサルな教育 4
IBクラスの多面的な教育。〈コミュニティと奉仕〉の社会活動。
- 学びの礎 8
玉川のICT教育 情報化の時代に必須のITスキル…富永順一
- MMRC通信 8
2008年度の「学びの技」を振り返って…河西由美子
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- 同窓会インフォメーション
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