『全人』2020年7月号 No.850より
2020年7月号 No.850
2020年を境に、新しい生活様式のもとで見えないウイルスをどう克服するか、安全に配慮しながらいかに日常を取り戻すかが、世界の課題となりました。今号では私たちのくらしを守るために覚えておきたいキーワードを各分野に精通する大学教員にインタビュー。医療、教育、食、ネット社会におけるリスクマネジメント、メディア・リテラシーの観点から、これからの「安全と保安」を考えます。新型コロナウイルス感染症対策に伴い春学期は遠隔授業に取り組む大学全学部の「学部長メッセージ」と、「遠隔授業の実践」を紹介。「研究エッセイ」では芸術学部の清水宏美教授が、古来親しまれる和楽器「こと」を軸に、絃・弦楽器の魅力や音楽文化を語ります。
表紙写真＝岩崎美里
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玉川学園・玉川大学では医師・看護師が常駐する保健センター 健康院のほか、24時間の警備や耐震性の高い校舎を備えるなど、学習環境の保全に取り組んでいる。防災・安全の意識を高める授業も行っている（写真は本学所有の消防車を見学する幼稚部園児）コロナは当初から医療従事者の間で、「SARSのような収束は期待できず、長期化してパンデミックになるかもしれない」という見通しがありました。そのため保健センター 健康院では、社会的な注目度がまだ低かった1月末の時点から、注意喚起を続けてきました。現在も近隣の医師会から感染の状況など情報提供を受け、学園での対応に役立てています。（略）
外出や友だちとの交流にも注意を払う必要がある環境では、子どもたちの心のケアが欠かせません。親が不安なら子どもたちも同じことでしょう。どうか不安を和らげる言葉かけをしてください。
医療は患者さん＝非常時にある方々と向き合う意味で、危機管理が仕事の基本です。困難な時期ではありますが、その経験を活かし、これからも玉川学園を支えていきます。「対コロナ」を医療の視点から考える
保健センター 健康院院長、教育学部教授 庭野裕恵 p4 -
新型コロナウイルス感染症拡大を受け、入学式や対面授業が行えない状況で学びをスタートさせた2020年度の学生たちに向け、玉川大学８学部長からのメッセージを掲載。左上から時計回りに茅島路子文学部長、小原廣幸農学部長、相原威工学部長、喜治都経営学部長、香取幸一観光学部長、八木橋伸浩リベラルアーツ学部長、小佐野圭芸術学部長、小原一仁教育学部長困難な時にこそ主体的な学びが求められます。今回の皆さんはまさに遠隔授業に必要なシステムの操作を主体的に学びました。
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、ドイツのメルケル首相は、学習能力を発揮し、いつでも考え直し、変化に柔軟に対応すると語っていました。これらは予測不可能な時代に必要な能力です。
皆さんにはこの力の基盤である主体的に学ぶ力があります。変化に柔軟に対応できる力の獲得には、適切な情報を集め、思考し判断する経験が重要です。卒業後の姿を思い描き、情報を集め、身につけるべき知識とスキルを考え、修得の戦略を立て、実行してください。「学修する力を維持し続けて」文学部長 茅島路子
学部長メッセージ p14
目次
- ［特集］セーフティ&セキュリティ
「対コロナ」を医療の視点から考える 保健センター 健康院 庭野裕恵
支え合う集団と社会的ジレンマ 脳科学研究所 高岸治人
5Sと手洗いの徹底が食の安全をつくる 農学部 植田敏允・勝又美紀
子どもの安全は家庭、学校、地域で守る 教育学部 高島二郎
サイバー空間の悪意に打ち勝つ量子暗号 量子情報科学研究所・工学部 相馬正宜
自分の視点を持つことが他者の理解につながる 芸術学部 小北麻記子
安心・安全な教育環境を実現する取り組み
故きを温ねて 79 「36歳國芳、震災に遭う」…白柳弘幸
海外教育レポート from USA…服部 薫 - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 大学 学部長メッセージ
- 大学 遠隔授業の実践
文学部／工学部／教育学部／芸術学部／リベラルアーツ学部 - EDUCATION REPORT
STREAM Hall 2019 メーカーズフロア - 研究エッセイ
和楽器「こと」から見る世界
－日本と世界の音楽文化を等しく理解するために－…清水宏美 - 数字でみる玉川 12 聖山の標高
- Teaching @ Tamagawa 12 Sence of Snow…Johnathan F. Lee
- キャリアナビゲーション ’20
全薬工業株式会社 高田若葉さん＋就活Q&A - 学園日誌…小原芳明
- 令和元年度寄付受理ご報告
- Book Review 180 『海辺のカフカ』…圓山知弘
- 教育博物館館蔵資料紹介 332 「内外名家 體育論集」…宇野 慶
- 玉川の仲間たち 「クジャクチョウ」…横倉 啓
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