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20年にわたる富士フイルムビジネスイノベーション株式会社との産学連携:「ほんもの」からの学び

2021.11.01

玉川大学・玉川学園では、創立期より児童・生徒・学生に「ほんもの」を知り、そこから学び取ってほしいという考えから各分野の第一人者を招待しての講演会や実技指導などを積極的に行ってきました。その思いは現在の玉川大学・玉川学園にも根付いており、あらゆる機会を提供できるよう取り組んでいます。今回ご紹介する玉川大学と富士フイルムビジネスイノベーションとの産学連携は、数ある実践例の一つです。同社とは2000年にパートナーシップ協定を締結したことをきっかけに、さまざまな形で学生の学びや経験の機会が広がっています。例えば、富⼠フイルムビジネスイノベーションが運営している学内のドキュテックステーション(DTS)では、将来志望する職業分野へのマッチングを図る体験としてインターンの受け入れをしています(2016年2018年2021年)。

授業では、2015年に、当時、顧問をされていた日比谷 武 氏がゲストスピーカーとして教育学部の授業でお話をしてくださいました。2017年には、日比谷氏と対話する機会をいただき、学生が学部を超えて参加しました。お忙しい企業のトップであっても、名著を読み、学び続けていらっしゃるとのこと。学び続けていらっしゃるからこそ、その言葉に深みがあることを学びました。

共同研究では、模擬授業の省察を効果的に深めることを目的とした音声同期スクリーンキャプチャシステムを用いた実験授業について、2012年の国際学会で発表しました。2016年は深い学びに焦点を当てた反転学習や手書き図解について、2020年は手書き図解をタブレットにアップグレードし、ディスカッションを深めるツールや仕掛けについて研究しました(参考文献参照)。

このような連携の成果の1つとして、卒業生の活躍が挙げられます。学内推薦枠のインターンを経験し、富士ゼロックス東京に採用された卒業生(2017年度 教育学部卒)は、2019年に「ユーザー営業No.1」を、2020年には「Top Award」を受賞しています。産学連携により、学生の視野が広がり、卒業後に活躍していくことは企業にとっても、大学にとっても嬉しいことです。

ドキュメント制作をプロから学ぶ 2021年5月27日実施

春学期の5月27日に、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンSE 技術推進部の専門家、濵田和実氏が「ドキュメント制作理論と実践:ドキュメンテーションアプローチ」というタイトルで、教育学部の大谷ゼミの学生に授業をしてくださいました。⼤⼿企業のプレゼン指導をされているプロの視点から、パワーポイントを使ったプレゼンでの注意点や魅力的なプレゼンのポイントについてわかりやすく教えてくださいました。特に、グラフや表の間違った入れ方や見せ方、誤解を招く事例など、よくありがちな間違いを示してくださいました。大切なのは、情報を受け取る側の視点で、情報量、統一感、読みやすさ、見やすさを考え、適切な情報として提示することです。見本として提示された資料は、デザインを専門とする富士フイルムビジネスイノベーションのパートナー会社、株式会社コドスの専門家が作成されたものです。シンプルながらトピックに合わせたデザインやレイアウトは、学生サンプルと同じ情報を扱っていても、情報の見え方・伝わり方が大きく異なりました。当日、富士フイルムビジネスイノベーションのドキュメント勉強会メンバーである関西学院大学感性価値創造インスティテュートの渋田 一夫 先生もご参加くださり、認知心理学の視点から、聴き手が理解しやすい情報についてアドバイスしてくださいました。

豊洲オフィスでのドキュメントデザインセミナー 2021年9月8日実施

春学期の特別授業「ドキュメント制作理論と実践:ドキュメンテーションアプローチ」を受けた学生が豊洲オフィスでのフォローアップ・セミナーに参加しました。コロナ禍のため、希望する学生はオンライン参加もできるようになっていましたが、ほぼ全員が対面参加を希望したので、感染対策をしっかりとした上で実施しました。今回の研究訪問は、全社改革室の藤井謙志氏のご協力の元、前述した濵田氏と富士フイルムビジネスイノベーションのドキュメント勉強会事務局の筑木利行氏がコーディネートしてくださったことで実現しました。

前半は、豊洲オフィスのツアーです。快適な空間、センスの良いアートやオフィスデザインは、まるでドラマに登場する大企業のイメージそのものです。高層ビルの中の会議室は、壁全面が窓なので、周囲の景色を一望でき、世の中を俯瞰し、視野を広く持って仕事に取り組まれていることが伝わります。ツアーは、3つのグループに分かれ、営業の方がご案内くださいました。このような形でのオフィス ツアーはインターシップや内定者などを除いては初めてのことだそうです。本当に大勢の社員の皆様がご協力くださったことに、学生達は富士フイルムビジネスイノベーションという企業の懐の大きさに感激していました。

セミナーでは、濵田氏からご参加くださっている社員の皆様のご紹介をいただいた後、公共文教支社 公共文教営業部長の菊地光聖氏より、富士フイルムの概要についてご紹介いただきました。次に、富士フイルム社員教育について、統合ビジネスサービス本部 人事サービス統括部の縄中 浩氏より、求める人材と社員教育についてお話いただきました。富士フイルムでは「人間力、専門力、変化に挑む人材」を育成していくため、絶えず自己研鑽していくことを奨励しています。具体的には、事実を捉え(see) 、本質的な課題を発掘する(Think)ところから始めていく「STPD(See-Think- Plan- Do))のサイクルを回しながら、課題形成力を強化していくことを大切にされています。「自分の軸」を持ち、STPDを回しながら、新しいことを恐れずに取り組む。そして、失敗しても、そこから学びながら、また次のSTPDサイクルを回していくことは、企業だけでなく、学校や研究にも通じます。そして、驚くことに、社員のためのeラーニングは154講座もあります。絶えず自己研鑽をしているからこそ、一流の仕事ができるということは、教員志望の学生にも企業就職志望の学生にも大きな刺激となりました。

後半は、春学期末に学生が作成したプレゼン資料をもとに、「ドキュメントデザインのポイント」というタイトルで効果的なプレゼンについて、株式会社コドスのシニアディレクター 安藤隆之氏からお話いただきました。学びのフォローアップとして、色、フォント、見出しの階層にあわせたレイアウトなど、学生達の春学期末のパワーポイントを事例に説明してくださいました。質疑応答では、コドスの取締役・アートディレクター の渡邊敏広氏からも、具体的な方法やアドバイスをいただきました。レポート/論述でも、パワーポイントでも、論点を明確にすることがポイントであることを再認識しました。

学生によるゼミ展企画のプレゼン

セミナーの最後に、11月にオンライン開催するコスモス祭(大学祭)でオンライン発表するゼミ展の企画案について、ゼミ生代表4名がプレゼンする機会をいただくことができました。

この企画は、TAMAGOイベントとしても開催された米国ドレクセル大学とのGlobal Classroomに参加した大谷ゼミの学生が企画し、それに賛同したドレクセル大学の有志がコラボした企画です。背景には、小中高が対面授業をコロナ禍でも実施している中、大学生だけがオンライン授業を余儀なくされたことがあげられます。そこに、新型コロナウィルス感染症の感染拡大の問題は、大学生などの若者が出歩くことに問題があるかのような報道もありました。街中を出歩いている大学生ばかりでなく、オンラン授業で増えた課題、自宅のWiFi環境整備、アルバイトが減ったことによる収入減など、色々な苦労を乗り越えながらがんばっている大学生もいることを発信したい!という思いが根底にあります。玉川の学生とドレクセル大学の学生が撮影した東京とフィラデルフィアにおける学生生活を、映像や画像を通して比較・分析する企画です。そんな想いの詰まったゼミ生のプレゼンに対して、当日、ご参加くださっていた横浜国立大学先端科学高等研究院の小清水 実先生、関西学院大学感性価値創造インスティテュートの渋田一夫先生からも、励ましのお言葉をいただくことができ、プレゼンした学生達にとって忘れられない1日となりました。

玉川大学と富士フイルムビジネスイノベーションとの産学連携は、さまざまな形でこれからも発展していきます。

TOPIC ドキュテックステーション(DTS)との連携

玉川大学には、富⼠フイルムビジネスイノベーションが運営しているドキュテックステーション(DTS)も学内にあり、以下のように授業支援、コーププログラム(他社も含め複数の会社が参画した授業、学生インターンの受け入れなど、色々な形で連携しています。

工学部・農学部・芸術学部
リベラルアーツ学部・教育学部
  • インターンシップ生の受入れ(DTS業務を体験した上で学生目線でのDTS改革提案のプレゼン)
リベラルアーツ学部
  • 一年次セミナー内で学園祭ポスター発表に向けたコンセプト/デザインに関する授業支援
文学部
  • 書評の書き方授業支援
  • インターンシップ生の受入れ(卒業生/教員への取材と文学部HP向けコンテンツ作成)
芸術学部
  • Adobe InDesignの使い方授業支援
経営学部
  • コーププログラム(他社も含め複数の会社が参画)

関連リンク

参考文献

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