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ボスニア・ヘルツェゴビナ国の教育関係者による研修を受け入れました

2013.06.21

6月19日(水)、ボスニア・ヘルツェゴビナ国の教育関係者一行が来園し、本学園のK-12情報科と学園マルチメディアリソースセンター(学園MMRC)の教育活動を視察しました。これは、JICA(独立行政法人国際協力機構)国別研修「ボスニア・ヘルツェゴビナ国IT教育近代化プロジェクト本邦研修(2013年)」の一環で行われている研修プログラムに協力したものです。同国の連邦教育科学省、ブルチコ行政区、県教育研究所の担当者や教壇に立つ先生方の6名が、終日研修を受けました。

プログラムは、本学園情報科の登本洋子教諭から、本学園の教育理念とK-12一貫教育(幼小中高一貫教育)の概要の紹介から始まりました。その後、学園全体の情報環境と情報科カリキュラムの説明となり本題となります。本学園独自のシステムである「CHaT Net」で、コミュニケーション・ツールとしてだけでなく、図書管理や児童生徒の学籍管理も使用していることにもふれました。カリキュラム面では、自ら探究するマインドを身につける9年生(中3)の『学びの技』、10年生(高1)の『社会と情報』、四足歩行ロボット及び映像作品制作を通じて情報を学ぶ11年生(高2)の『情報C』、12年生の選択科目『オフィス』『コンピュータミュージック』『コンピュータグラフィックデザイン』『プログラミング』といった、多彩で特徴のある情報科の科目群を紹介しました。研修員の皆様は、通訳(日本語⇔セルビア・クロアチア語)を介した説明に耳を傾け、熱心にメモをとっていました。

次に図書館機能と色々な情報メディアを利用できる学園MMRCを見学。工夫のこらされた机や椅子のあるラーニングスペース、豊富な蔵書、何よりも施設・設備のコンセプトの先進性に驚きを隠せない様子でした。IBの生徒が多く利用する洋書コーナーでは、科学関係の書籍を手に取る場面もありました。

午後は都内公立高校の先生方も加わり、日本とボスニア・ヘルツェゴビナの情報教育について意見交換の時間を持ちました。両国間の学校制度の比較や、教員免許、教員養成・研修、学習指導要領といった制度面の意見交換を行いました。後半は、情報科の授業の工夫に話題が移り、情報モラル、情報の学習のためのモチベーションの機会(プログラミングコンテスト出場や検定・資格試験受験等)といった、教育現場の運用事例が話題になりました。

「高校の情報科でeラーニング教材はありますか。」という研修員からの示唆に富む質問に対し、ある先生は「英語等、他の教科はあるが情報科は少ないです。マイクロソフト社の教材はあると思います。また教員自らが開発する場合もあります。」と応じました。

また、「ICTはただの道具とみなすのですか。図書に代わっていくものなのでしょうか。既存の教材にどう組み合わせて使用していきますか。ボスニアでは図書館の蔵書数が減っていき、代わりにICTが増えていっています。」と質問がありました。登本教諭は、「例えば韓国では教材の電子化がかなり進んでいますが、日本では全面的にICTに置き換えられる動きは緩やかで、今後も図書が減ることはないと思います。先ほど見学した学園MMRCもそうですが、目的や用途に合わせて、情報媒体を選択していく方向ではないでしょうか。」と述べました。

約3時間に渡る幅広い議論を通じて、両国の教育関係者は、普段ふれることの少ない国の多くの知見を得ることができました。一連のプロジェクトの成果を踏まえて、ボスニア・ヘルツェゴビナでは、日本の「情報」の教科書を現地語に翻訳し、教育現場での運用が図られると伺いました。同国には民族性の問題が少なからずありますが、IT教育の共通化を通じた教育分野の統合をねらいとしているとのことです。

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