STREAM Hall 2019
異分野融合の学びを育む場「STREAM Hall 2019」を建設中です

Consilience Hall 2020 *2021年3月完成、同年4月から利用開始
玉川学園創立90周年、そして100周年に向けて着々と進むキャンパスの再整備計画。将来的にはキャンパス内に、学園の伝統を感じさせながら、未来への道筋を示すエリアが次々と形成されていく予定です。
その一つが現在工事中の「STREAM※1 Hall 2019」を中核とした「ESTEAM※2エリア」で、科学技術と芸術の融合をめざす玉川独自の「ESTEAM教育」の拠点となります。ここには2021年春オープンの「Consilience※3 Hall 2020」も新設され、既設の「ELF※4 Study Hall 2015」、「University Concert Hall 2016」、「Science Hall(大学6号館)」とともに将来的には各施設をつなぐ通路や交流の場となる広場なども整備された「ESTEAM PARK」に発展していく予定です。
- 1STREAM:Science,Technology, Robotics, Engineering, Arts,Mathematics
- 2ESTEAM:ELF,Science,Technology,Engineering, Arts,Mathematics
- 3Consilience:異なる学問(自然科学と人文科学など)の融合。知の統合
- 4ELF:English as a Lingua Franca
2020年春オープンの「STREAM Hall 2019」は“異分野融合の学びを育む場”をコンセプトに、工学部・農学部・芸術学部が融合した教育を進めていく「ESTEAM教育」の拠点。玉川学園の全人教育をベースとした「デザインシンキング(課題解決型のプロジェクト学修)」を実践していくための教育・研究施設として、数々の斬新な設計計画が盛り込まれています。また、完成に先駆けて本年4月からは「工・農・芸融合価値創出プロジェクト授業」が開講されました。
特徴的な外観はデザイン性だけを重視したものではありません。建物を覆う金属製ルーバーは日射と自然通風のコントロールという役割を担っています。そのため、各ルーバーはコンピュータシミュレーションによって、最適な角度が決められています。また、ルーバーには風を通す穴がいくつもあけられており、これが全人教育の6つの価値「真、善、美、聖、健、富」を意味するモールス信号がデザインのモチーフになっています。




さらにトップライトと地中熱を利用した省エネ設計で、年間を通じて効果的な空調を実現。学修や研究活動のための快適な環境を保ちながら、一般の理工系大学の校舎に比べて30〜50%の一次エネルギー使用量の削減をめざしており、こうした設計により今年「CASBEE」(建築環境総合性能評価システム)で最上級のSランクを獲得しました。


「STREAM Hall 2019」は、分野を超えたさまざまな人が集まる場としての工夫も重ねられています。
起伏のある地形の特色を生かして、南側には人を建物内へといざなうひな段状の広場を設けていることもその一つ。「ESTEAMエリア」の他の校舎からの人の流れも踏まえつつ、コラボレーション・テラスなど学生たちが交流しやすい空間を演出しています。
各階の吹き抜けの位置を調整することで、人が集まるステージとなるスペースを作り、上下階のいずれからも他の階で行われている活動や成果発表が目に見えるように工夫されています。これは異分野の人たちが互いの活動により関心を持ち、交流を促進する効果をねらっています。
吹き抜けには美術家の坂上直哉氏(高等部卒)によるステンレス作品「虹の翼」が展示される予定です。この作品は長らく羽田空港のロビーに展示されていました。




各フロアには異分野の学生同士がコミュニケーションがとれるように「オープンスペース」を設け、壁面をホワイトボードとして使えるディスカッションスペースも設置。吹き抜け周りの壁面には大きな階数表示のほか、考えるヒントとなる世界の格言、テキスタイルデザイン、図形、数式などを記した「アクセントウォール」を設置。この場所がグローバルでインタラクティブな教育・研究の場であることを発信します。


さらにインテリアには学生たちが自ら育てる植物を利用したり、キャンパス内で伐採した木材をインテリア材として再利用するなど、玉川学園の労作の伝統を踏まえた工夫も積極的に取り入れる予定です。
「STREAM Hall 2019」各階について紹介しましょう。各階に設けられたオープンスペースには天井から電源を取るテクニカルレールなど、用途・目的によって自由に模様替えができるフレキシブル性を持たせていることも特色です。
【1階】メーカールーム
北側「ELF Study Hall 2015」前の道路からのエントランスとなるこの階は「メーカールーム(工作室)」を中心としたものづくりの拠点。パソコン、3Dプリンタから各種工作機械などが設置され、工学部だけでなく芸術学部の学生も利用します。またエントランスから続く「プレゼンテーションステップス」は、通路であるとともに多くの人たちの目に触れる作品発表の場ともなります。
【2階】ロボットラボ/クリエイティブラボ
斜面に建てられているため、南側からのエントランスは2階となります。入口付近にカフェが設けられ、隣接するガラス張りの「ロボットラボ」は誰もがAI研究の最前線に触れることができる場です。その他、このフロアには「実験室」と「クリエイティブラボ」を設置。「オープンスペース」や「ギャラリースクエア」は、多様な分野のものづくりが融合する場となるでしょう。
【3階】実験室/プロジェクトスタジオ
MacやPCを備えた「プロジェクトスタジオ」や「ソフトデザインラボ」などの実験室が入るフロアです。「コラボレーションラウンジ」など、異分野融合を促進するスペースも設けます。
【4階】教員研究室
このフロアは主に工学部の教員研究室が設けられています。個々の研究室に高いセキュリティ性を持たせるとともに、中央部の吹き抜けを囲んだオープンスペースは、多くの人が行き交い、分野を超えたコラボレーションを生み出します。
【5階】実験室/教室
学生や教職員同士の交流によって異分野融合のイノベーションを実現するため、「プロジェクトスタジオ」と「実験室」を混在させたフロア。通路部分は自由に使える「オープンゼミスペース」になっています。
【6階】食堂/実験室
最上階は玉川の丘、さらには都心や横浜方面を一望できる学生食堂スペースで、かつてこの場所にあった「りんどう食堂」となる予定です。

設計段階から3学部の教員が協働して参画し、教育・研究施設としてのデザイン性と機能性はもちろん、玉川学園の伝統と教育への取り組みをあますところなく盛り込んだ「STREAM Hall 2019」。2020年度、ここから新しい玉川大学の学びがスタートすることでしょう。
関連リンク
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- 「翼モニュメント 羽田から玉川へ旅立つ」羽田空港国内線旅客ターミナル 第1旅客ターミナルにあった卒業生の作品が2019年秋玉川学園に設置予定
- ESTEAM教育を推進する施設設備「科学と芸術の融合」
- 次代を担う人材を育てるESTEAM教育の拠点の一つに。Consilience Hall 2020建設のための地鎮祭が執り行われました。
- 想いを形に。玉川大学が今後取り組むESTEAM教育の核となる、STREAM Hall 2019建設の無事を願う地鎮祭が執り行われました。
- 全人教育の象徴から、新たな教育の象徴へ。りんどう食堂と第2大学研究室棟解体にあたり、安全祈願祭が執り行われました。