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玉川大学演劇舞踊団が「ロンドン国際演劇祭」(英国)と「エジンバラ国際フェスティバル」(スコットランド)に参加

2020.09.25

1961(昭和36)年のメキシコ訪問以来、5回目をむかえる今回の海外公演は、英国のロンドン国際演劇祭およびエジンバラ国際フェスティバル・フリンジという世界屈指の芸術祭への参加が目的。狂言を現代風にアレンジした「ベッカンコおに」を日本語で公演した。

1.「ロンドン国際演劇祭」と「エジンバラ国際フェスティバル」に参加

1961(昭和36)年のメキシコ・アメリカ公演、1968(昭和43)年のヨーロッパ公演、1972(昭和47)年のギリシャ公演、1978(昭和53)年のカナダ・アメリカ公演に次いで5回目をむかえる今回の海外公演の目的は、8月に開催される英国のロンドン国際演劇祭およびエジンバラ国際フェスティバル・フリンジという世界屈指の芸術祭への参加であった。この公演は、「江戸大美術展」(ロイヤルアカデミー・オブ・アーツおよび国際交流基金の共催)の日本関連行事の一つでもあった。

演目は、心やさしい鬼と盲目の美少女ゆきの物語を描いた児童劇「ベッカンコおに」。原作はさねとうあきら氏、脚色はふじたあさや氏で、日本の古典芸能(能・狂言・歌舞伎)の様式を基本とした作品となっている。舞台は、三間四方の所作台と、正面に松羽目を描いた三双の屏風を飾った簡素な形式。上手、下手の袖においては、鼓・笛・琴・尺八という和楽器をはじめとして、パーカッション、シンセサイザーに至るまで、さまざまな楽器が用意され、場面場面に応じて演奏された。屏風の前では能の地謡・ギリシャ古典劇のコロスに相当する4名の黒子がいて、劇を展開する。

英国各紙でも高評を博した

狂言を現代風にアレンジした「ベッカンコおに」の公演は、日本語での公演ということもあり言葉の壁も懸念されたが、見事に成功を収めた。そして、「ザ・タイムズ」、「ザ・ガーディアン」、「ファイナンシャル・タイムズ」、「ザ・デイリー・テレグラフ」、「フェスティバル・タイムズ」といった英国の各紙の新聞評でも高い評価を得た。

2.玉川大学演劇舞踊団の海外公演スケジュール

1981(昭和56)年
<7月31日~8月2日>

日本都市センターホールにおいて国内披露公演を行う。

盲目の美女ゆきは、墓の前でベッカンコおにと出会った
この世の不条理に、ゆきは鬼に変身
ベッカンコおには命がけで採ってきた
竜眼草の汁をゆきの眼にたらす
イギリス人に和太鼓を教える
エジンバラでの「ベッカンコおに」の公演

<8月7日>

ロンドンへ出発。

<8月10日~8月15日>

ロンドン国際演劇祭に参加。トライシクル劇場にて8回の公演を行った。さらにワークショップを2回(和太鼓・能と狂言)、ディスカッションを2回、それぞれ実施した。BBCラジオにも出演。

<8月17日~8月21日>

エジンバラ国際フェスティバル・フリンジに参加。アセンブリ・ルームズ内の音楽堂にて5回の公演を行った。BBCテレビ、STVにも出演。そして、フェスティバル・フリンジのベスト6に選ばれた。

<8月22日~8月25日>

ストラットフォード・アポン・エイボンなどイギリス国内を見学。そしてロンドンにて観劇。

<8月26日~8月30日>

ギリシャにて古代劇場の遺跡・博物館等を見学。そして野外劇場でギリシャ古典劇を観劇。

<9月2日>

帰国。

参考

1968(昭和43)年のヨーロッパ公演に際して、創立者小原國芳が次のようなメッセージを寄せている。(岡田陽編『ヨーロッパ公演旅行記』より抜粋)

今日、宇宙時代に生きる我々は「地球はわれらの故郷である」という大いなる気概を持つことが必要です。真の世界平和は、若い世代が自分の国を外に、広く世界に接し、交流することによってのみ可能であります。
私は、教育というものは教室の中だけで行われるのではなく、地球上のあらゆる所が、宇宙のすべての場所が、若人のための教室でなければならぬと考えています。今回の計画も、ただ彼等の教室を日本の国外に移動させたにすぎません。そのために、学生達はどれほど多くのものを得てくるでしょう。

関連リンク

参考文献
  • 小原哲郎監修『全人教育』 第398号 玉川大学出版部 1981年
  • 小原哲郎監修『全人教育』 第399号 玉川大学出版部 1981年
  • 岡田陽編『ヨーロッパ公演旅行記』 玉川大学出版部 1968年

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