玉川大学・玉川学園Webサイト
IEサポート終了のお知らせ

玉川大学・玉川学園webサイトTOPページリニューアルに伴い、Microsoft 社の Internet Explorer(以下、IE)のサポートを終了いたしました。本学園が運営するサイトをIEで閲覧した場合正しく表示されない恐れがございます。
皆様にはご不便をおかけしますが、別のブラウザを利用しての閲覧をお願いいたします。

「夢の学校」を自分たちで創る、玉川の理念を受け継ぐ 聖山労作に、大学生たちが今年も取り組みました。

2022.03.08

創立90周年という節目の年となった2019年度から、周年事業として始まった聖山労作。これまで玉川学園で学ぶ児童、生徒、学生、そして教職員や卒業生も参加して、定期的に行ってきました。本年度は2月7日(月)に教育学部、リベラルアーツ学部、農学部の学生が午前と午後に分かれて行いました。

聖山は大体育館の裏手にある小高いエリアで、1929年の玉川学園創立後に教職員や学生らによって開墾。頂上の広場は朝の礼拝などに使われてきました。周辺には礼拝堂や小原記念館、咸宜園などがあり、玉川学園の建学の精神を象徴する場所となっています。近年は樹木が生い茂ったままになっていましたが、2019年から労作がスタート。8年後の創立100周年に向けて、学園関係者の手によって整備が進められています。

労作を行う前には、リベラルアーツ学部の谷本亮教授から「皆さんも既にご存じかと思いますが、労作とは単に労働をするということではありません。労作の『労』は、汗を流して苦労しながら、物事に取り組んでいくこと。だから芸術作品に取り組むことも労作となります」と労作の意味について話がありました。そして里山の重要性について語った後、「1929年、小原國芳先生が玉川学園を作った際、教職員も児童、生徒、学生も含めて、皆で夢の学校を作っていこうと考えました。もうすぐ100周年を迎えますが、その思想は今も息づいています。皆さんも今日は夢の学校を作る気持ちで臨んでいただきたいと思います」と、学生たちに語りかけました。

この日、参加した学生には学友会からお弁当の差し入れもありました。挨拶に立った学友会の石塚靖雄次長から「私たちの先輩がこの場所を切り拓き、聖山を作りました。皆さんがこの場所を綺麗に維持してくださることを、とてもうれしく思っています。創立当初の開拓の精神を感じていただきながら、有意義な労作の一日にしてもらいたいと思っています」と話があり、学生からも感謝の言葉が述べられました。

その後、道具の使用法など安全面についての注意事項を聞き、労作が開始しました。雑木林の中に入り、目印の付いた樹木を間伐。切った木を運び出していきます。この3年で聖山の整備もかなり進み、雑木林の中も散策ができるほど整備されました。間伐は適切な林内照度を確保することを目的とし、地表に日光を当て、雑木林を健全な状態に保つことで木々は太くなり、下層植生も豊かになります。また倒木の可能性がある枯損木を取り除くことで、安全も保たれます。

学生たちは(株)タマガワ イー サポート、濃沼植木、地球工作所のスタッフの皆さんから指導を受けながら、間伐に挑戦。大きな木を伐採する際や倒れた木を細断する際は、自然と皆で意見を出し合いながら進めていきます。既にこの労作を経験した学生もいますが、『作業内容を既に分かっている』という前提にはせず、常に次の手順を声に出してから行うなど、安全に配慮して取り組みました。既に間伐が進み伐採がしやすいことや体力のある大学生が行っていることもあり、予定より早く終了。そこで小原記念館近くの竹林の間伐も、皆で協力して行いました。

参加した学生に、感想を聞いてみました。

「聖山は落ち着いた雰囲気なので、これまでも授業の空き時間などによく訪れています。そんな聖山で労作を行えると聞き参加したのですが、樹木の間伐はもちろん、種が落ちる前の松かさを見つけたりと、初めて経験することばかりでとても有意義な一日でした(中﨑芽生さん リベラルアーツ学部2年)」

「聖山労作には高等部生の時にも参加しました。高等部では美化労作やもの作りなどを行っていました。大学でもこのような機会があり、今日の体験はとても貴重だと思っています。多くの大学生に玉川教育の実践の場として関わってもらいたいと感じました(佐藤千夏さん リベラルアーツ学部2年)」

「中﨑さん、佐藤さんとは初対面なのですが、労作を通してこんなに早く打ち解けられることに驚きました。『全人教育論』の中で労作教育に触れており、労作とは何だろうと感じたことも今回参加したきっかけです。実際に体験してみて、ただ働くのではなく、実践を通して学ぶ『教育』に近いのではないかと思いました(中澤晴香さん 教育学部2年)」

<木材低温乾燥装置>

今回の聖山労作は、玉川学園の教育を体験的に学ぶ、とてもいい機会となりました。間伐した樹木の中で再利用が可能なものは、北斗館に新たに導入した木材低温乾燥装置を使用して乾燥させ、学内で教育用資材として活用していきます。高温で一気に乾燥させないことで反りも少なく、また防虫剤や防かび剤を使用しない無垢材となるため、健康にも良いと言われています。人の手を加えることで森を維持し、同時に森の恩恵を享受するという、かつての里山で行われていたことを現代に蘇らせた今回の労作体験。玉川学園では、この聖山の整備を定期的に行っていくことで児童、生徒、学生に労作を体験してもらい、皆で「夢の学校」を作っていきたいと思います。

<撮影時のみマスクを外しています>

関連リンク

シェアする