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「複合領域研究210:工農芸融合価値創出プロジェクト」の2022年度の最終プレゼンテーション開催

2023.02.27

テーマは農学部長からの発案「タンカンを玉川ブランド商品として育てよう」

4年目を迎える玉川大学の「複合領域研究210:工農芸融合価値創出プロジェクト」。この授業は科学(Science)、技術(Technology)、ロボティクス(Robotics)、工学(Engineering)、芸術・人間学(Art)、数学(Mathematics)を融合した「STREAM Style の教育」を具現化した学部・専門性の枠を超えた「共創の教育」を実践する場です。工学部、農学部、芸術学部、そして昨年度からのリベラルアーツ学部の4学部の学生が、この授業で初めて出会う他学部の学生とチームを組み、課題解決に向けてアイデアを考え、新ビジネスにつながる “ものづくり”に結びつけていくビジネスの実践に結びつく画期的な授業です。

2022年度に学生たちが取り組んだテーマは「タンカンを玉川ブランド商品として育てよう」です。4学科4名のメンバーでチームを構成し、計4チームが持続的に社会貢献できる価値の創出についてのアイデアを考え、その実現性を追求しました。「タンカン」は、ポンカンとネーブルオレンジの自然交配種。学園創立者・小原國芳の生誕地である鹿児島県南さつま市坊津町にある、農学部の実習の場「南さつまキャンパス 久志農場/清原園」で栽培・収穫されます。甘い果汁と芳醇な香りが特徴ですが、フルーツとしての一般的な知名度は高くありません。この魅力的なフルーツを「玉川ブランド」商品としてどのようにマーケットと消費者に向けて発信していくかが学生たちに与えられた課題です。

授業ではまずものづくりのヒントやアイデアを得るため、工学部・農学部・芸術学部の各学部で先端的かつユニークな教育・研究を進める教授陣によるオムニバス形式の講義を受講。その後、6回の授業時間を使ってグループ毎に「1.共感」「2.問題定義」「3.創造」「4.プロトタイプ」「5.テスト」という5段階のサイクルを回していくデザイン・シンキング(デザイン思考)に基づいてアイデアをまとめていきました。

<初回授業の様子>

そして最終授業である2023年1月18日、STREAM Hall 2019内「アカデミック・スクエア」に学生と授業に参加した教員が集結し、各チームが発表する「最終プレゼンテーション」を開催。例年ゲスト審査員として参加していただいている玉川大学芸術学部卒業生で、クリエイター向けデジタルデバイス開発を手がける株式会社BRAIN MAGIC代表取締役神成大樹氏、また今回のテーマである「タンカン」を商品として扱う株式会社タマガワイーサポートでコンサルティングアドバイザーを務める齊藤文則氏も参加されました。

<神成大樹氏>
<齊藤文則氏>

では、当日プレゼンテーションを行った4チームの最終プレゼン概要を以下に紹介します(発表順)。

チーム●ひよっこアベンジャーズ

「購入者参加型のリーフレットでタンカンへの興味を喚起」

このチームは、タンカンを送付する段ボール箱に同封するリーフレット(三折り・カラー6ページ)を活用したブランディングを提案しました。学生たちは実際にセンス良くデザインされたリーフレットの試作品を作成して、それに基づくプレゼンテーションを行いました。タンカンの知名度が低く、魅力が知られていないというスタートラインに立ち、リーフレットでは特色や成分などの商品説明に留まらず、クイズやアイデア募集などを「購入者参加型」の編集企画を盛り込みました。クイズの解答やタンカンの利用アイデア募集ではインスタグラムなどのSNSも連動させて、タンカン購入へのモチベーションアップやハッシュタグによる情報共有を狙います。また、購入者にタンカンについてアイデアを募ることで、このフルーツの新たな価値の発見も期待されます。今後の課題として、タンカン購入者以外へのアプローチである店舗用リーフレット戦略への言及もありました。

チーム●Clockwork Blue

「キャラクターを用いて玉川ブランド商品として育てる」

このチームは熊本県の「くまモン」に代表される親しみやすいキャラクターによる知名度向上戦略を提案しました。キャラクターの人気が出て注目が集まれば、マスメディアなどでも取り上げられやすく、パブリシティ効果が見込めます。学生たちが作成したキャラクターは「ツタンカンメン」。産地である南国・鹿児島からの連想でアフリカ大陸エジプトから題材をいただき、語呂合わせによるユーモラスなネーミングです。学生たちが作成したゆるキャラ風のイラストは老若男女問わず「かわいい!」と思わせる作品で会場の人々も思わず笑顔に。このユニークなキャラクターをSNSで拡散するほか、玉川学園のイベントや鹿児島県南さつま市のウェブサイトなどで利用してもらい、オリジナルグッズ展開も図るなどして知名度&ブランドイメージ向上を目指します。

チーム●raf finé

「ガチャガチャを用いたタンカンの販売企画」

このチームは広くタンカンの存在を知ってもらう手段として「ガチャガチャ」を使う販売方法を考案。その上で以下3段階のフェーズでのブランディング戦略を、実際に会場にタンカンが入ったガチャガチャの機械を持ち込んでのプレゼンテーションを行いました。
【第1段階】学内にガチャガチャを設置してまず玉川大学学生にタンカンを知ってもらう。
【第2段階】 町田市内・町田駅などにガチャガチャを設置して、玉川学園が身近な人、卒業生などにアピールする。
【第3段階】 物産展やイベントなどの機会を利用して、会場にガチャガチャを設置して一般に向けて広くタンカンを知ってもらう。
さらに【第0段階】として、オープンキャンパスなど玉川大学への入学を考える受験生向けへのアピールも行います。販売形態として汎用性と話題性に優れたガチャガチャ。SNSでの情報拡散も期待でき、1個200円から購入できる手軽さもタンカンの美味しさを広く知ってもらうためのチャンス拡大になります。

チーム●Deep+4

「玉川ブランドとしてのタンカン商品案」

このチームは、タンカンを使った2種類のオリジナル加工食品を実際に考案し、会場の人々に試食してもらいながらのプレゼンテーションとなりました。
まずはタンカンの「はちみつ漬け」。そのままはちみつ漬けとして食べるタイプと煮込むタイプの2種を作りました。ハチミツは農学部産のアカシアの製品を使い、まさに玉川ブランド商品としてふさわしい食品に仕上がりました。おやつやマーマレード代わりとして、またお酒のお供にもできる深い甘さと酸味が特徴です。
もう一種は珍しい「塩漬け」。これは話題の愛媛の「塩みかん」にインスパイアされたオリジナル調味料で、学生たちが様々な料理を試した結果、八宝菜などとろみのある料理との相性が良かったそうです。「はちみつ漬け」は中身が見える透明の袋、塩漬けはびん入りで、いずれも使い終わった後の分別・廃棄まで考えた製品として企画しました。

各プレゼンテーションの最後に質疑応答の時間がもたれ、この日駆けつけた工学部・農学部・芸術学部の教員やフロアで聞いていた学生から質問が飛び交い、それにしっかりと答えている学生の姿は凛々しく、デザイン思考で自分たちが積み上げてきたプランへの自信を感じるものでした。
全チームの発表終了後、タマガワイーサポートの齊藤文則氏とBRAIN MAGIC代表取締役神成大樹氏からチーム毎にそれぞれ講評をいただきました。学生の発想の良さ、ビジネスとしての展開方法、加工食品の魅力など、さまざまな観点から学生に気づきを促すようなコメントをいただきました。神成氏は「社会に出たら、今度は自分というブランドを売ることになります。今回の素晴らしい経験を踏まえてこれからも考え続けてください」とエールが送られました。

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