オンラインで国際教育:学生が企画・運営するCOILも登場

2022.03.30

玉川大学国際教育センターが2020年から取り組んでいる海外大学とのCOIL(Collaborative Online International Learning)には、カジュアルな交流を目的としたGlobal Café、テーマを設けて学ぶGlobal Classroom、教職コースの学生を対象としたウィルクス大学・ワイオミングエリア小学校との共同授業などがあります。COILとはICTを用いて海外の学生と国際共修を行い、異文化理解や異文化間コミュニケーションスキル等を培う教授法のこと。国際教育センターのTAMAGOイベントとして実験的に実施したものが、授業、国際共同研究やプロジェクトに発展しています。TAMAGOは、玉川大学における様々なグローバルな学びの機会Tamagawa Global Opportunities(通称:TAMAGO)を意味します。①入門、②キャリア、③アカデミック、④交流といった4つのカテゴリーをバランスよく組み合わせてTAMAGOイベントは展開されています(これまでの取り組みは、「関連リンク」から)。2021年度秋学期の大きな成果の1つは、学生の主体的な参加です。司会進行だけでなく、企画・運営も学生が取り組みました。

入門 キャリア アカデミック 交流

1.ビラノバ大学とのGlobal Café10月6日(水)9:00-10:00(現地時間20:00-21:00)

ビラノバ大学(米国ペンシルベニア州)で日本語授業を履修している学生達15人とのカジュアルな交流会を開催し、玉川大学からは18人が参加しました。今回のお題は、「What I found/started in a pandemic - コロナ禍で発見したこと/始めたこと」です。こちらはカジュアルなGlobal Caféなので、目的は楽しく交流することです。Netflixのドラマにはまった話、趣味の話など、2回のブレイクアウトで、楽しく交流することができました。コロナによって色々と制限されることもありますが、大学生達は色々と工夫しながら勉強や活動を続けていることが伝わりました。お互いに、苦労や工夫を共有することができ、離れていても、共感しあえる仲間がいることは心強いことを確認しあいました。

2.ウィルクス大学教育学部授業+現地小学校参観11月5日(金)21:30-22:30 (現地時間8:30-9:30)

英語教育学科の米田紀子先生が担当されている「Teaching English at Elementary Schools」(以下、TEES)やゼミなど、英語教師を目指している英語教育学科の学生26人が参加しました。大きな目標は、12月に玉川の学生がワイオミングエリア・スクール(米国ペンシルベニア州)の5年生にオンライン授業をすることです。そのために、まず、ウィルクス大学教育学部の教育学科主任のDr. Suzanne Murray GalellaとDr. Kimberly Niezgoda(English Language Centerのセンター長およびTESOLの修士課程のプログラム・コーディネーター)からWilkes大学の教員養成カリキュラムとワイオミングエリア・スクールについてのレクチャーを受けた上で、ワイオミングエリア・スクールのmaster teacher(地域の先生方のロールモデル)であるMs. Kara Anthonyの授業を参観させていただきました。Ms. Anthonyのアバターが登場する楽しい教材は見ているだけでも楽しくなります。授業の導入の仕方、子ども達を惹きつける方法(クラスのマスコットのパペットが子ども達の声を代弁)、発問、子どもへの声かけなど、対面でもオンラインでも教師に必要なスキルは同じです。すでにアメリカの学校や大学は対面授業に戻っているので、この日はワイオミングエリア・スクールの子ども達は教室からタブレットで参加してくれました。

今回の授業は、以下です。

  • Play a pirate themed escape room, reviewing inferencing homophones, and cause & effect skills.
  • Write a fiction creative writing piece.

海賊の地図や海賊になった先生のアバターが登場し、楽しく学びの世界に導いていきました。今回の参観で学んだことを反映させて、12月の授業にチャレンジします(12月の報告はこの後の5で紹介します)。

3.ドレクセル大学とのGlobal Café11月11日(木)10:00-11:00(現地時間8:00-9:00)

ドレクセル大学(米国ペンシルベニア州)で日本語授業を履修している学生27人と玉川大学の学生23人が参加しました。司会進行は経営学部3年の山本真由さん。まず、冒頭で、大谷千恵先生のゼミ生(教育学部3年)とドレクセル大学の有志学生が取り組んだ共同プロジェクト「【玉川×ドレクセル】授業風景あつめてみた! 」の動画について、大谷ゼミの学生が英語で紹介しました。「コロナ禍における東京とフィラデルフィアの学生生活」をテーマに、リサーチしたものをニュース番組風の動画にしたものです。TAMAGOイベントでの出会いをきっかけに、両大学の学生達が有志でコラボした国際共同プロジェクトです。ドレクセルの学生達が参加しているTAMAGOイベントでお披露目できた達成感を共有することができました。

メインのプログラムである今回のGlobal Cafeは、次週のGlobal Classroomに向けてのアイスブレイキングを目的としたセッションです。日本語を学習しているドレクセルの学生達にもわかるようにやさしい日本語と英語を使っての交流です。お互いに聞いてみたい質問を用意して参加しています。アメリカ/日本で見てみたいもの、日本語/英語学習をどんな風にしているか、コロナ後に行きたいところなど、色々な質問が飛び交いました。言語の壁を越えるためには、相手を気遣いながら、わかりやすく伝える工夫をすることが大切です。そのように相手の視点で考えながらコミュニケーションをすることは、国際親善の大切なポイントです。コロナ禍でのお気に入りの場所、いつか実際に訪ねていきたいところなど、たくさんの楽しみリストができました。

4.ドレクセル大学とのGlobal Classroom
お気に入りのお店の紹介と道案内をしよう! 11月18日(木)10:00-11:00(現地時8:00-9:00)

東京/フィラデルフィアの観光スポットや好きなお店/カフェなどの紹介とそこへの道案内(最寄り駅から)をします。好きなお店、好きな場所、好きなメニューにはその人のライフスタイルや価値観も表れます。お互いの「好き」を通して、その人を理解していく活動です。画面共有された地図には、おいしそうなメニュー、楽しい雑貨屋さんの様子、並んでも行きたいラーメン屋さん、おしゃれな古着屋さんなど、大学生の「好き」がたくさん紹介されました。なぜ好きなのか?を説明しながら、自分の価値観やライフスタイルも見えてきました。

ドレクセルの学生にとっては、日本語で学習した道案内をする貴重な機会です。玉川の学生は、フィラデルフィアの観光客として、以下のような質問をしていきます。ドレクセルの学生の説明を頼りにワークシートに回答していくと、隠れているキャラクターが見つけられるアクティビティです。

  • フィラデルフィア美術館はどちらですか。
  • 大きい教会へ行って、きれいなステンドグラスが見たいんですけど、この辺にありますか。
  • おいしいランチが食べたいんですけど、この辺にいい店はありませんか。
  • フィラデルフィアの一番高い建物は何ですか。それはどこにありますか。そこには、どんな店がありますか。etc.

ドレクセルの学生達が一生懸命、日本語で道案内をしている姿から、玉川の学生達は自分も英語をがんばらなくては!という気持になりました。

5.ウィルクス大学教育学部授業+現地小学校での授業実践12月3日(金)22:30-23:30 (現地時間8:30-9:30)

11月5日に参観したワイオミングエリア・スクール(米国ペンシルベニア州)の5年生を対象にした日本紹介の授業を玉川大学英語教育学科の学生達がしました。時差があるため、ワイオミングエリア・スクールの始業時間までは、ウィルクス大学のDr. Suzanne Murray GalellaとDr. Kimberly Niezgodaがワイオミングエリア・スクールのルールや児童について追加のインプットをしてくださいました。今年度は英語教育学科の米田佐紀子先生の授業にCOILを位置づけ、日本文化に馴染みの薄いアメリカ人児童に分かりやすい授業を工夫し、授業外でのリハーサルをして臨みました。努力の甲斐があって、子ども達がワクワクしながら、日本の学校や日本について学べる授業になっていました。参加した23名が交代で自分が担当したトピックについてクイズ形式で紹介していきます。画面越しですが、子ども達が夢中になっている様子が伝わってきました。当日はGoogleのAI翻訳に切り替えて日本語でコメントを書いてくれる児童もいました。子ども達のツールを使いこなす柔軟性にも感心しました。

この授業実践の後、玉川の学生達は、チャンスをくださったKara先生と子ども達にお礼状を各自で作成し、それを1つにまとめたパワポを送りました。事後にきちんとお礼や感謝を伝えること、それを自分らしく表現すること、国際親善だけでなく、どこでも大切なことです。COILを通して、人としての姿勢を学ぶ機会にもなっています。

笑顔で褒めることの重要性を授業参観で再確認した学生、新しく学んだことをすぐに試そうとする子どもの学ぶ意欲に触発された学生、時差などのハードルを超える学びの達成感を実感した学生、先輩の活躍をロールモデルとして次に自分がどうするかという目標が見いだした学生。学生のコメントから、それぞれの視点で成長したことが伝わります。

  • カラ先生は子どもたちの答え・考えに対して、必ず褒めていた。これは、学校現場において非常に大切なことだと教育実習でも学んだことだ。カラ先生の褒め方は、具体的且つ笑顔で何度も褒めていたことが印象的だった。(英語教育学科4年)
  • 一番印象に残っているのは、子どもたちの反応や様子である。Zoom上ではあるが、学生たちが発表をしている時、頷いたり微笑んでいたりと徐々に子どもたちの表情に変化が見られた。それは日本のことについて興味関心を示してくれたり、ワクワクした気持ちで参加をしていたりしていたからだと感じた。(英語教育学科4年)
  • 今回先輩たちに感銘を受け、来年に向けた不安や使命感を強く感じていますが、自分は今後入ってくる後輩に何かを思わせることができるのかという不安もあります。しかし、今回の先輩たちの素晴らしい活躍は忘れられないものになったため、自分自身のモチベーションとして今後の活動にも積極的に取り組んでいきたいと思います。(英語教育学科3年)

ワイオミングエリア・スクールの子どもたちから送られたお礼状も一部紹介します。嬉しくて、帰宅してすぐにお母さんに話したとか、授業で多くを学んで日本に行きたくなったなどと書かれており、参加した児童への刺激にもなったことが分かります。

6.ドレクセル大学とのGlobal Cafe2月24日(木)10:00-11:00(現地時間8:00-9:00)

3月にドレクセル大学に留学する学生がいるので、その学生が司会進行する形で、ドレクセル大学とのGlobal Caféを開催しました。玉川大学はすでに春休みでしたが、玉川から14人、ドレクセル大学からも14人が参加しました。今回は、「私の秘密」がテーマです。ルールは簡単。その人の秘密について、YES/NOで答えられる質問をし、秘密を当てたら次の人に交代します。目的は、お互いについて楽しく知り合うことなので、途中で脱線してもOKです。玉川の学生は英語で、ドレクセルの学生はできるだけ日本語で答えます。

当日、ドレクセル大学はいくつかの教室に分かれてアクセスしていたので、日本語授業の担当をされている小山ひろみ先生が教室をまわりながら、盛り上がっている様子を伝えてくださいました。普段は静かな学生が、「ブレイクアウトルームが閉じられる、その最後の瞬間に、僕の秘密が暴かれたんだよ!」と顔を真っ赤にして叫んでいたそうです。そして、他の学生達がその学生を囲んで、大騒ぎしている光景を嬉しく報告してくださいました。

司会進行を担当した根本朝日さんも手応えを感じることができ、3月に現地でドレクセルの学生達と会えること、そして留学がますます楽しみになりました。

「自分の英語に自信がなく、これまで人前で英語を話す機会が少なかったため、司会進行を務めたことは貴重な経験になりました。また、フィラデルフィアの治安など、気になっていたことをドレクセルの学生の方から聞くことができました。留学前に現地の情報を知ることができて良かったです。留学するのが、楽しみになりました。」(工学部 エンジニアリングデザイン学科2年 根本朝日)

もう1つ嬉しいことがあります。ドレクセル大学の先生方のご協力で、玉川の学生から提案されたTAMAGOイベント「World Tour at Home」が日本時間3月23日に決まりました。アナウンスは、企画・運営する経営学部3年の山本真由さんがチケットに見立てた招待状を画面共有して、ドレクセルの学生達に呼びかけました。また、日本語教師を目指している倉持はるなさん(教育学部3年)からも、日本語を学習しているドレクセルの学生の役に立ちたいと、「はるなとにほんご」を立ち上げ、日本語教室を呼びかけました。両大学の学生同士の友情と信頼が強まっていることを、非常に嬉しく思います。学生達のアイディアや実行力、頼もしいです。

7.学生企画 ”World Tour at Home”3月23日(水) 日本時間9:00-10:30(PA時間)
対象:ペンシルベニア州の4大学と玉川の学生

経営学部3年の山本真由さんが企画・運営したTAMAGOイベントです。はじめはこれまで交流してきたドレクセル大学とビラノバ大学に声をかけていましたが、同じペンシルベニア州にある私立大学のセイントジョセフ大学、ハバフォード大学の学生達も参加してくれることになりました。学生による、学生のための企画となりました。 プログラムは、5つのセッションに分けた1時間半のプログラムです。グループセッションで「時間が足りない」というコメントが出たので、次のセッションでは5分伸ばす代わりに、説明を簡略化したり、全体共有する際に、内容を絞ってもらったりと、臨機応変に調整した山本さん。予定通りにイベントの内容を実施し、予定時間に終了することができました。以下の山本さんの感想から、TAMAGOイベントの参加者から、司会進行、企画運営までやれるように成長したことが伝わってきます。次の挑戦に向けて、ますます成長していくことを楽しみです。

私はこれまでTAMAGOイベントに7回参加しました。その中で、楽しくお互いを知り合う交流を目的としているGlobal Cafeは毎回気軽に参加することができました。毎イベントの楽しさから、司会進行に立候補して務めるようになりました。更に、これらの経験を活かして企画・運営にも挑戦したいと思うようになりました。今回のWorld Tour at Homeの企画・運営にあたっては、より多くの学生が興味をもてるように、イベントでよく話題に挙がっていた「コロナが落ち着いたら、どこに行きたいか」をテーマに、自宅にいながら世界旅行を味わえる企画にしました。もう1つの工夫は、異文化理解の学びを加えたことです。2年次の教科書の題材を基に、異文化間コミュニケーションのケーススタディを取り入れました。当日は、臨機応変に時間調整をしながら、全てのアクティビティを実行することができたので、上手くタイムマネジメントができたと実感しています。私の次の挑戦は、自分1人では気づかない改善点やテーマを見つけてより良いイベントを計画できるように、他の学生とチームでイベントを企画・運営することです。(経営学部3年 山本真由)

嬉しいことに、学生主体での企画は他にもあります。日本語教師を目指している倉持はるなさん(教育学部3年)は、TAMAGOイベントでの交流をしたアメリカの学生達のお手伝いができれば!と「はるなとにほんご」という日本語会話のボランティアをはじめました。今回、参加してくださったドレクセル大学やビラノバ大学の先生方とも、このように学生が主体となって、色々な企画運営ができるようになったことは大きな成果であり、学生達のエンパワメントであることを喜びました。そして、倉持さんには、ドレクセル大学の日本語授業のお手伝いをしてもらいたいと上級者クラスのウィリアム先生からお声がかかりました。1つ1つの活動や実績は、次のチャンスに繋がっています。

TOPICS:

アメリカ大使館主催Ambassador’s Youth Council報告会

10月28日(木)15:00-16:00
合格者わずか10名の、米国大使館主催のプログラムに参加した経営学部の山本真由さんが報告会を実施。後輩たちに経験を伝えました。

留学経験がキャリアに与えるメリット

12月7日(火)17:00-19:00
留学経験が就職にどのように繋がったのかを卒業生にお話しいただくTAMAGOイベントを開催し、20名の学生が参加しました。今回、話をして下さった卒業生は以下の2名です。

長尾マリアさん:
芸術学部卒業、オーストラリア・クイーンズランド大学でMaster of Applied Linguisticsを修了

海藤千夏さん:
リベラルアーツ学部卒業、在学中にオーストラリア・クイーンズランド大学に留学し、現在ホテルに勤務

お二人の卒業生からは、学部・大学院での留学や海外インターンシップの体験談、その後の就活・キャリアパスと現在のお仕事、さらに留学を通して得た経験、スキル、物事の見方・考え方、価値観などがキャリアにどのようなインパクトとメリットを与えたのかについての話がありました。留学先で多様な文化、考え方、価値観に触れる中で、自己のアイデンティティや将来のキャリアを考える良い機会となり、また留学を通して英語力や専門知識に加え、コミュニケーションスキル、異文化適応能力、チャレンジ精神などが身につき、さらに多様な人々との出会いや繋がりが現在のキャリアに生かされているとのことでした。卒業生の熱い話に受講生は大いに刺激を受けていました。以下受講生の主なコメントです。

芸術学部メディア・デザイン学科3年
宇山 美由紀さん(指導:小北麻記子教授)
  • 実際に社会で働いている卒業生に、留学経験がどのように活かされているかを具体的に聞くことができとても参考になった。(農学部2年)
  • 留学で習得した英語力、その他の能力や経験を就活の際にどうアピールすれば良いか気になっていたので、卒業生からお話を聞けて本当にためになった。(経営学部1年)
  • 留学後の就活について不安があったが、色々なことにアクティブに挑戦してそれを仕事につなげている卒業生のお話を聞き、諦めない気持ちや前向きな姿勢を学び勇気をもらえた。(芸術学部3年)
  • 留学したから就職活動やキャリアに結びつくのではなく、留学先でどのようなことを見て学んだのかが大事だということを卒業生のお話を通して分かった。今から具体的な留学計画を立てようと思う。(リベラルアーツ学部1年)

Tamagawa Global Leadership Fellows のプレゼン大会

学生の国際的な活躍を評価するTamagawa Global Leadership Fellowsのプレゼンテーション大会が開催されました。

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