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子どもの育ちを地域とともに考える ―玉川大学教育学部宮﨑ゼミが古座川町の教育・保育に学ぶ

2026.10.27

玉川大学教育学部の宮﨑ゼミは、9月1日から3日まで、包括連携協定を締結している和歌山県古座川町を訪問しました。教育学科と乳幼児発達学科の学生が、古座川町立高池小学校、高池保育所、学童保育所きらりを訪れ、子どもたちとの交流や教育・保育の現場での見学を通じて、地域の実情や特性を生かした実践に学びました。

今回の訪問では、複式学級における授業の工夫、子どもの主体性を大切にした保育、放課後の生活を支える学童保育など、子どもの育ちを支えるさまざまな教育・保育のあり方に触れました。また、古座川町や串本町の自然や地形を見学し、地域の環境や人々の暮らしにも目を向けました。

地域の実践から教育・保育を考える

宮﨑ゼミには、教育学科と乳幼児発達学科の学生が在籍し、特別な配慮を必要とする子どもの理解と援助、インクルーシブな教育・保育、病気の子どもの生活と教育、就学前教育・保育と小学校の連携などをテーマに学んでいます。

教育学部では、3年次から4年次までの2年間、ゼミを通じて学生それぞれの関心を深め、研究や実践について学びを積み重ねます。3年次にはフィールドワークを中心とした研修も行い、4年次には研究方法を学びながら、大学での学びをゼミ論文にまとめていきます。

今回の訪問は、教育や保育の現場を直接見つめ、子どもの育ちや学びを支える環境について考える機会となりました。

複式学級の授業から学ぶ、一人ひとりに寄り添う教育

古座川町立高池小学校では、全校児童45名の学校で、学年によって複式学級を取り入れた授業が行われていました。また、特別支援学級も設置され、交流及び共同学習を通じてともに学びながら、必要に応じて学びの場を移すなど、一人ひとりに丁寧に寄り添う工夫がなされていました。

学生は、初めて複式学級での授業を見学しました。異なる学年の学習を同時に進めるための発問の工夫や、一方の学年が自分で学習を進めるための手立てなど、複式学級ならではの授業の展開に触れました。

少人数だからこそ、個々の学び方や課題に応じた支援が行われていることを実際に見て、教育において一人ひとりの理解や学びに寄り添うことの大切さを考える機会となりました。

6年生の国語の授業では、学生も子どもたちとともに「大切に取り組んでいること」を発表しました。また、4年生の社会の授業では、地域に応じた災害について、古座川町と東京を比較する学習が行われました。学生も授業に参加することで、地域の特徴を生かした学習の進め方や、子どもたちの興味・関心を広げる授業の工夫に触れました。

異年齢の関わりと子どもの主体性を大切にする保育――高池保育所での学び

古座川町立高池保育所では、0歳児から5歳児までの6クラス、計23名の子どもたちが生活し、遊び、学んでいます。

宮﨑ゼミの学生は、子どもたちの日常の活動や遊びに触れながら、異なる年齢の子ども同士の関わりや、子どもの主体性を大切にした保育のあり方について学びました。

保育所では、年齢の異なる子どもたちが一緒に遊ぶ中で、年長児が年下の子どもを気にかけたり、活動を進めたりする姿が見られます。一方、年下の子どもたちは年上の子どもの姿から学び、新しいことに挑戦しています。子どもたち自身が活動を考える中で、主体性や協同性、相手を思いやる気持ちが育まれていることを、学生は学びの視点として捉えました。

また、室内や園庭には、子ども自身がやりたいことを選び、遊びを通して考えたり、試行錯誤したりできる環境が整えられています。保育では、活動のねらいにとらわれすぎず、子どもの経験や予想外の学びも大切にされています。学生は、子どもが自ら遊びを選び、その世界を楽しむ姿を通して、主体的な育ちを支える保育の工夫に触れました。

高池保育所では、地域の人々も保育に協力し、地域から届けられた野菜や自然物を活動に生かすなど、地域全体で子どもの育ちを支える取り組みが行われています。季節やその年の収穫物に応じて身近な素材を保育に取り入れることは、子どもたちが地域の自然や人々とのつながりを感じる機会にもなっています。

さらに、小学校との連携も保育の中に取り入れられています。小学校の教師やALTが英語や体育などの活動に関わり、歌やゲーム、日常の会話を通して、子どもたちが外国語に親しむ経験を重ねています。年長児には就学を見通した活動も設けられ、保育園と小学校が子どもの様子を共有しながら、安心して就学へ移行できるよう工夫されています。

今回の訪問では、こうした保育の実践を見学するとともに、主任の角先生から最近の活動について説明を受けました。学生にとって、小学校教諭を目指すうえでも、就学前の教育・保育がどのように子どもの育ちを支え、小学校での学びにつながっているのかを考える機会となりました。

放課後の生活を支える学童保育所きらり

訪問期間中には、時間が許した数名の学生が、高池小学校の隣にある学童保育所きらりも訪れました。

学童保育きらりには、古座川町の3つの小学校の児童が通い、放課後の生活を過ごしています。児童はスクールバスで集まり、指導員に見守られながら、ともに学び、遊び、仲間との関係を築いていました。

自分で遊びを選べる環境の中で、夕暮れまでの時間を過ごす子どもたちの姿を見て、学生は学童保育が子どもの生活や成長を支える場であることを学びました。

学校での授業だけでなく、保育所での生活や放課後の時間にも目を向けることで、子どもが育つ環境を幅広く捉える機会となりました。

古座川町・串本町の自然と地形に触れる

最終日の9月3日には、古座川町と串本町を巡り、和歌山の地質や土壌、気候などによって長い時間をかけて形づくられた地形に触れました。

古座川町では、高池保育所の近くにある「虫食い岩」をはじめ、「滝の拝」「一枚岩」、水害の多い地域に見られる沈下橋などを見学しました。さらに、隣接する串本町の「橋杭岩」や、本州最南端の「潮岬」にも足を運びました。

地域の自然や地形を実際に見ることで、学生は大地の成り立ちや、地域の自然を大切にするジオパークの考え方と実践に触れました。

教育・保育の現場での学びに加え、地域の自然や暮らしにも目を向けることは、子どもが育つ環境を広く理解することにつながります。

地域と大学がともに学び、教育・保育の未来を考える

今回の訪問では、古座川町立高池小学校、高池保育所、学童保育所きらりのそれぞれの現場で、子どもたちの学びや生活を支える実践に触れることができました。

複式学級の授業、異年齢の子ども同士の関わり、遊びを通した保育、放課後の学童保育は、それぞれ異なる場でありながら、子ども一人ひとりの育ちを大切にするという共通の視点を持っています。学生にとって、地域の教育・保育の実践を直接見て、教育のあり方を考える貴重な機会となりました。

本学は、古座川町との連携を通じて、地域の実情や教育・保育の実践から学び、学生の学びを深めています。今回の訪問にあたり、お力添えをいただいた古座川町の大屋一成町長、大畑眞教育長をはじめ、学校、保育所、学童保育の関係者の皆さまに感謝申し上げます。

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