国際教育①(1930年~1960年)

2021.12.20

「地球はわれらの故郷なり」という広い視野と気概を持った国際人が求められている。そのため、玉川学園では12の教育信条の一つに「国際教育」を掲げ、語学の習得に満足することなく、豊かな国際感覚を育成するために、地球のあらゆる場所で行えるany placeの教育を実践している。ここでは、主な国際教育に関する出来事を紹介する。

年 出来事写真
1930年
昭和5年
オーストリアスキーの第一人者であるハンネス・シュナイダー氏を招聘
  • シュナイダー氏は日本に初めて、スチール・エッジを持ち込んだ人物であり、以来、日本のアルペン・スキーは一変し、アールベルク一辺倒となった
来園したシュナイダー氏
スイスの教育家ヴェルナー・チンメルマン博士が来園。学校の行事にすぐ結びつけて生きいきと輪唱を指導するチンメルマン博士から多くのものを学ぶ
  • 初来園以降、本学の創立者小原國芳の親しい友人となり、欧米へ教育行脚に出られた國芳の、ドイツ、オーストリア、スイス各地での講演の通訳をつとめた。本学には6度来園
来園したチンメルマン博士
小原國芳、初めての海外教育行脚へ
  • ハワイやカリフォルニア州にて数十回の講演。欧州では、チューリッヒ、ベルン、ウィーン、ミュンヘン、シュツットガルト、ベルリン、ハンブルグなどで講演
ベルリンでの講演
1931年
昭和6年
デンマーク・オレロップ国民高等体操学校の創始者であり、デンマーク体操(基本体操)を考案したニルス・ブック氏一行26名を招聘
  • 来園時に、玉川学園は「オレロップ国民高等体操学校東洋分校」として承認された
  • もともとは玉川学園の児童・生徒の健康教育のために招聘された体操団であったが、ブック氏は全国の青少年の健康促進を目的として、日本全国40数か所、足かけ48日にわたって、実演と講演を行った
来園したニルス・ブック氏一行
ロサンゼルス玉川学園分園を開校
  • 前年、小原國芳が海外行脚で訪れたロサンゼルスで、2世の日本語教育の教師不足に苦労している日本語学校の様子を知って分園を設立。1934年には、ロサンゼルス分園に校旗を贈呈
ロサンゼルス分園に校旗を贈呈
1934年
昭和9年
留学生部を設置。その年42名の満洲国からの派遣留学生を迎えた
  • 1932年に建国された満洲国より、翌年に4名の留学生を受け入れたことがきっかけとなり、留学生部を開設。玉川学園における留学生部の活動期間は決して長いものではなかったが、そこには「アジアの外交は玉川の丘より」を提唱する小原國芳の想いが結実していた
満洲国からの派遣留学生
1937年
昭和12年
ドイツの世界的教育学者であるエドワート・シュプランガー博士夫妻が視察のため来園
  • シュプランガー博士の代表的著作である『文化と教育』『教育者の道』『生まれながらの教育者』は、いずれも玉川大学出版部が発行している
来園したシュプランガー博士夫妻
1940年
昭和15年
満蒙への皇軍慰問団は、小原國芳を団長に生徒35名と引率教員で、1か月半、各地を巡り、公演を行った
  • 一行は下関から釜山に渡り、大邱、京城といった都市でも公演を行って満洲に入った。公演は、「小原國芳の講演、体操・舞踊の実演、合唱」という構成で行われた
満蒙皇軍慰問公演
総合研究「満州研究」と「南洋研究」を実施
  • 4月から8月までの5か月間にわたって「満州研究」、引き続き9月から12月までの間に「南洋研究」というテーマの総合学習を、学園挙げての大規模な合同研究として実施
満州研究
1946年
昭和21年
米国教育視察団来園
  • 教育改造案立案のため米国教育視察団が来園。視察団は報告書に「偉大なる名誉あれ、かかる開拓者たちの上に」と小原教育に対する高い評価を示した
米国教育視察団
1950年
昭和25年
全学総合の「デンマーク研究」を実施
  • 小学1年生から大学生に至るまで全学園が約2か月の期間をかけて「デンマーク研究」に取り組んだ
  • 「ニルス・ブック氏70歳誕生記念祭」を玉川学園で開催。記念祝賀祭、記念芸能発表会、デンマーク研究展、デンマーク文化講演会など、玉川学園挙げての行事が行われた
デンマーク研究展
1955年
昭和30年
玉川学園にてアンデルセン生誕150周年記念祭を開催
  • 礼拝堂でのアンデルセン劇や合唱、日本舞踊の観賞、英語による『アンデルセンの一生』や『錫の兵隊』という映画の鑑賞をはじめ、音楽や美術等の授業参観、デンマーク体操の発表やデンマークに関する自由研究の見学などが行われた。秩父宮勢津子妃殿下をはじめ、ブック領事ご夫妻、クルーゼ公使ご夫妻のほか、大勢のデンマークの人たちが参観のため来園
アンデルセン生誕150周年記念祭
1959年
昭和34年
国際比較教育学会員一行が来園
  • ニューヨーク大学のブリックマン博士、ケント大学のリード博士、チュービンゲン大学のボルノー博士など多数の教育関係者たちの来園は、学生、生徒にとってよき国際教育となった
アメリカ国際比較教育学会員が多数来園
1960年
昭和35年
スイス大使一行を招いてペスタロッチ祭を開催
  • 玉川大学文学部教育学科主催のペスタロッチ祭での講演を兼ねて、スイス大使マックス・トレンドル博士一行が参観のために来園。
  • 1957年の広島大学教育学部が主催した第36回ペスタロッチ祭では、小原國芳が日本教育界の功労者に贈られるペスタロッチ賞を受賞
来園したスイス大使トレンドル博士一行

関連サイト

参考文献

  • 小原芳明監修『全人』第696号 玉川大学出版部 2006年
  • 玉川学園五十年史編纂委員会編『玉川学園五十年史(写真編)』 玉川学園 1980年