機器の紹介
玉川大学では、工学部だけではなく、全学部の学生が21世紀のものづくりを志向し、ものづくりの基本になるデザイン・シンキング※を実践する教育環境整備を進めています。
その舞台となるのが、2020年春にオープンしたSTREAM Hall 2019の1階にある「メーカーズフロア」です。ここは工学部と芸術学部を中心にすべての学部の学生が利用できるものづくりのためのオープンスペース。授業だけではなく、学生個人でのものづくりや学部を超えた共同のプロジェクトなどでも自由に利用できます。
- デザインシンキング…「1.共感」「2.問題定義」「3.発想」「4.プロトタイプ」「5.精査(淘汰)」のサイクルを繰り返すことで、めざすイメージに近づいていくイノベーションを起こすための思考方法、正解が用意されていない問題の解決、まだ見たことがないモノを生み出すための方法論
壁はガラス張りになっているので、学生たちが取り組むものづくりの現場を部屋の外から見学することも可能。見学するだけでは飽き足らず、そのままプロジェクトに参加したり、自分たちが夢見るものづくりを実現させようと仲間と新しいプロジェクトを立ち上げる学生も次々と現れています。
メーカーズフロアは「デジタル」「工作機械」の2つのエリアに分かれ、それぞれ本格的なものづくり機器・設備が設置されています。
デジタルエリア
ものづくりのアイデア・コンセプトをまとめることから、3D設計、プロトタイプ制作、検証まで、デジタルものづくりすべてのプロセスをワンフロアで進めることができる環境を整備。常駐する助手が学生の作業をサポートします。このデジタルエリアではCADなどの知識が求められますが、無償ソフト(大学関係者のみ)の紹介や使用方法の説明も丁寧に助手が対応します。
【主な設備】
パソコン、3Dプリンター、フルカラー3Dプリンター、大型インクジェット3Dプリンター、3Dスキャナー、3D プロッター(切削加工で形を作る)、打刻機、シートカッター、レーザーカッター(紙、木版、アクリル板などの切断)
工作機械エリア
主に金属加工を行うための本格的な工作機械を完備。デジタルエリアと同じく助手と長年自動車メーカーの製造工場で制作に携わっていたキャリア豊富な技術指導員が常駐し、学生の指導と作業の安全性に気を配っています。デジタルエリアよりも専門的な知識が求められるため、現時点では工学部生で実習を受けた学生が中心に使えますが、将来的には講習会なども行い、使用できる対象を増やしていく予定です。
【主な設備】
作業台(万力付き)、弓鋸切断機、シャーリングマシン(電子制御の切断機)、フライス盤(フライスという刃物で素材を削って加工する機械)、ベンダー(折り曲げ機)、コンターマシン(金属や木版の切断機)、マシニングセンタ(自動工具交換機能を有したフライス盤)、旋盤(大・小/素材を回転させながら切削する機械)、細穴放電加工機・ワイヤー放電加工機(アーク放電によって素材を加工する機械)