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工学部エンジニアリングデザイン学科の学生が第37回日本ロボット学会学術講演会 「RSNPコンテスト2019」においてグッドコンセプト賞を受賞

2019.09.20

9月6日早稲田大学にて行われた第37回日本ロボット学会学術講演会にて行われたRSNPコンテスト2019にて、工学部エンジニアリングデザイン学科の野本恭平さん、望月遊世さん、宅間駿さんが発表した「鉄道駅における視覚障がい者のための移動支援ロボット」がグッドコンセプト賞を受賞しました。このコンテストは、魅力あるロボットサービスの実現を目的として、RSNP対応のロボットやRSNPを活用したサービスコンセプトを提案し、研究者や企業の有識者によって審査されるものです。所属は大学だけでなく、研究機関や企業なども応募ができ、毎年多くの団体がエントリーしています。

  • RSNP(Robot Service Network Protocol)とは、様々なロボットが簡単で効率的にインターネット上のサービスへ接続可能となるロボットサービス向けの通信プロトコル仕様のこと。「通信機能」「ロボット動作指示機能」「マルチメディア機能」「情報提供機能」などのインターネットを介したロボットサービスの基本機能を提供しています。

野本恭平さん、望月遊世さん、宅間駿さんは、視覚障がい者が鉄道駅の利用番線の判別やホーム上での階段検出に困難をきたし、混雑時における人の流れにも危険を感じていることに注目し、どうにかしてロボット技術で解決できないかと考え、「鉄道駅における視覚障がい者のための移動支援ロボット」を提案しました。もちろん鉄道各社はバリアフリー化・ホームドアの設置など安全対策を講じていますが、各駅の構造は場所の特性もあり均一ではない状況で、晴眼者による誘導を受ける方法が視覚障がい者にとって安全かつ確実に移動する手段であることが現状です。
彼らが考えたロボットは、施設設備面のバリアフリー化に依存せず、点字ブロックを誘導ラインとして利用者の目的地までの誘導・危険検知と予告・駅員を呼ぶなど利用者を安全に誘導します(※詳しくはコンセプトムービーをご覧ください)。
さらにはロボットの存在によって視覚障がい者の存在を周囲に知らせ、手助けや配慮を促し、周囲の人が能動的に援助を行う「心のバリアフリー」を目指して提案したそうです。

ロボット動作シミュレーションの様子

学生3名は、5月ごろからエンジニアリングデザイン学科平社和也助手とともに授業の空き時間を利用して、コンセプトワークから本学のデジタルファブ工房を利用したプロトタイプ制作までを全員で取り組んできました。

平社助手は彼らの取り組みについて、「当初、3DCADなどのスキルアップをしたいと集った彼らですが、具体的なモノづくりのプロセスの中でこそ多くの学びが得られると考え、コンテストでの発表を目標として取り組んできました。学生達は今回の活動のなかで、『課題解決としてのモノづくり』として身近な社会課題の調査からアイディア出し、プロトタイプ制作までを一貫して経験することで、技術的な面だけでなく、ユーザーに対する共感力やコンセプトを構築する力等を高めることができたと思います。彼らのさらなる活躍を期待します」と評価しています。

コンテスト当日発表を担当した野本さんは、「モノづくりという事に初めてしっかりと取り組み、先生や友人とモノの構想をまとめていくのはとても貴重な経験となりました。発表は非常に緊張しましたが、幸運にも賞を受賞できて嬉しかったです。また、他大学の先生や企業の研究者の方々から、沢山のコメントやアドバイスをいただき、勉強になりました。今後もロボットの開発を継続していくので、再び皆と頑張っていきたいです」と当日の様子を振り返りながら喜びのコメントを寄せてくれました。

宅間さんは、「アイデアを出すところからスタートする今回のような活動は、今まで経験がほとんどなかったので、初めは完全に手探りの状態でした。しかし、メンバーで議論を繰り返し、現状を観察し、アイディアをプロトタイプとして制作し、発表にまでこぎつけることができました。このプロセスを体験できたことは、将来にも役立つことだと思っています」とこのプランが誕生するまでの苦労を明かしてくれました。

望月さんは、「今回の提案では、自分が作りたいものを作るのではなく、実際に利用者の役に立つサービスをロボットで実現しようと考えました。利用者にとって使いやすいサービスとはどのようなものか、考えるのはとても難しかったですが、皆で手を動かして試作を行いながら進めることで新しい技術を覚えることもでき、とても楽しい経験でした」とコメントを寄せてくれました。

エンジニアリングとデザインの融合に取り組んでいる工学部エンジニアリングデザイン学科。これからも人の想いをエンジニアリングとデザインで形にしていく人材を養成していきます。彼らの活躍にご期待ください。

コンセプトムービー

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