ロボカップ世界大会で玉川大学チームが部門優勝!

2021.07.06

6月26日~28日で行われたロボカップ2021世界大会において、工学部生とリベラルアーツ学部生で構成されるチーム「eR@sers Education」がOpen PlatformリーグのOpen Categoryで1位を獲得、見事部門優勝を果たしました。また、自分たちが創り上げたプログラムのベースとなる部分を公開したことで、ロボット開発への貢献が認められ、Best Education Awardも同時受賞しました。

「eR@sers Education」は出場したOpen Platformリーグは、@home Educationの自作ロボットの部門で、大学生以上のオープンカテゴリーと高校生以下のジュニアカテゴリーに分類されます。競技では、10分間の持ち時間で、プレゼンテーションとデモンストレーションが7分・質疑応答が3分という配分で、各出場チームのラボからのネット中継で行われました。

プレゼンテーションでは、自分たちが設定した課題に対し、ロボットがどのようなことができるのかを技術面から説明し、実機でデモンストレーションを行います。
今回メンバーが選んだ課題は、「コロナ禍におけるレストランでの接客ロボット」です。新型コロナウイルス感染症拡大から、人との接触を減らすことが求められている昨今、「ロボットが人のように対応できれば感染拡大防止にもなる」との思いから、この課題を設定しました。「eR@sers Education」が挑戦したのは、ロボットが自分で動き、お客様を認識する、注文を聞く、注文された食品の提供、お客様をお見送りするなど、まさに店舗でスタッフが行う内容です。
ロボットには、タイヤ付きの架台に集音マイク、モノや人を認識するカメラ、赤外線センサー、滑り止め付きのアームが搭載されています。あらかじめエリアマップを読み込ませており、赤外線で自分のいる位置を割り出し、そこを基準に相手の位置や運ぶべきものの位置を確認し、必要な行動に移すということをロボット自身が考えて行います。
本番で思った通りにロボットが動かないチームが続出するなか、チーム「eR@sers Education」はロボットが所定の課題をクリアする様子が映され、中継を見ていた方からも称賛の拍手をいただくことができました。
3分間の質疑応答では、ロボットやプログミングの専門家からは技術的な面に関する質問と、そのほかの審査員からは、社会的なインパクトや@homeリーグがめざすロボットと共存する未来の社会への実現にむけた価値創造ができているかという視点で質問がありました。一つひとつの質問に対する丁寧な説明も非常にわかりやすいと審査員から高評価をいただきました。

チーム「eR@sers Education」のメンバー数名に話を聞きました。

リベラルアーツ学部3年生の鈴木健介さんは、2020年ジャパンオープンで戦ったメンバーの一人。同じリベラルアーツ学部の学生とは違った経験をして幅広い知識を身に着けたいと考えていたところ、高校時代の同級生でロボットラボに所属している友人に声を掛けられ参加を決意。プログラミングは初心者として一から学んできました。ジャパンオープンでは初めてチームメンバーとプログラムしたロボットが動いたことに感動を覚え、世界大会というさらなる高みに向け、挑戦してきました。部門優勝を受け、「様々な人が集まってそれぞれの力が集結して勝てたのがなにより嬉しい」と語ってくれました。今後はトヨタの家庭支援ロボット「HSR」を使った大会への出場も検討しているとのこと。ハイレベルな環境へ挑みます。

工学部情報通信工学科2年生の磯田ショーン佳宏さんは、ロボットが自分の位置や動作の基準となる位置の把握をするパラメーターの調整が難しかったと振り返ります。大会当日は得意な英語を活かしプレゼンテーションを担当。「思い通りにできてよかった。初めて出た世界大会で賞を取れたのが率直にうれしかった。」と喜びのコメントを寄せてくれました。

磯田ショーン佳宏さんは、これから行われるコミュニケーションロボットである「Pepper」の大会にも出場予定で、ロボット制御を突き詰めていきたいと今後の意気込みを語ってくれました。

工学部情報通信工学科3年生廣瀬誠人さんは、ジャパンオープンからの出場メンバーのひとりでハードウエアの制作を主に担当しました。既製品をうまくカッティングしたり、既製品にない部品は3Dプリンターを使って自作。躯体からはみ出ないように機器の配置を調整し、安全性を配慮した配線を実現しました。今後は親しみやすいロボットの外装にもこだわっていきたいと意気込みを話してくれました。

工学部情報通信工学科2年生の小林遼平さんは、世界大会出場決定後に、メンバーとして合流した一人。当日は配信環境の整備を担当。映像画面の切り替えなど複雑な設定を準備しました。web会議システムを指定されてからの準備では間に合わないことから、ある程度想定して準備を進めていましたが、大会側から指定されたのは別のツールでした。そこから設定を一から変更するなどギリギリまで調整をして、無事安定な配信に成功。小林さんは「出し惜しみせず全力でやり切ったのが良かった」と話してくれました。

工学部情報通信工学科3年生の中野零仁さんは、初期メンバーのひとり。工学部の授業ではプログラムの基礎などは学修していましたが、日本大会で初めて実機を動かすことができました。中野さんはパラメーター調整を主に担当。ロボットの動作一つでも角度を決めることがとても難しかったと振り返ってくれました。先生からはパラメーターの調整は職人技のように細かい調整が必要と聞き、試行錯誤を繰り返しながら、よりよい方策を検討。自分たちでわからないところは先輩方や先生にアドバイスを求め、解決のヒントをもらいました。「みんなの力があってこその優勝でした」と話してくれました。

チームリーダーの情報通信工学科3年生の飯野竜史さんは、運営側とのやり取りはもちろんのこと、ロボットのプログラムでも様々なタスクを統合していく、まさにまとめ役として活躍しました。

2020年12月に行われたジャパンオープン出場後から、大学の期末試験などを終え、世界大会に向けて準備に取り掛かったのが、3月から。一人ひとりが物語の主人公のようにできることを着実に進めていったと話してくれました。緊急事態宣言下において大学で打合せできる時間は限られました。その中でも一人ひとりができること着実に進めることで、集まったときに集中して対応したことが3か月といった短期プロジェクトで成功を修めた要因だと振り返ってくれました。

このように多くの学生が自分のすべきことを考え、自分たちの持つ知識と技術を総動員して、部門優勝という輝かしい結果を残すことができました。得意分野を生かしてチームに貢献するというのは、VUCA時代に重要な考え方になることでしょう。これからの彼らの挑戦もどうぞご注目ください!

なお、大会の動画が公開されました。
1:06:30あたりに「eR@sers Education」の様子がご覧いただけます。