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廃材だからこそ表現できる玉川の歴史。「解体による再構築展」の優れた作品に対して、表彰状が授与されました。

2023.03.10

玉川学園旧本部棟と玉川大学8号館(旧工学部校舎)の解体に伴い発生した廃材を用いて、芸術学部の学生と教員がアート作品を制作し2022年11月に行われた「解体による再構築展」。この取り組みおよび優れた作品に対して賞が授与されることとなり、1月20日(金)に本部棟において表彰式が執り行われました。

司会を担当したのは、この再構築展を芸術学部の八木澤桂介講師、児玉沙矢華講師と共同で担当した栗田絵莉子講師です。表彰式の冒頭では、栗田講師から今回の再構築展が開催された経緯の説明がありました。
「2021年度に、大学9号館(旧短大校舎)の解体が行われた際、管財課の方から廃材として出てきたガラス板をいただきました。その際に、今後の建物解体時に出てくる廃材を活用して、アート作品の制作ができないかというお話もいただいたことが、今回の再構築展のきっかけです。芸術学部ではTamagawa Art Gallery Projectsとして学内でさまざまな作品展示を行っていますが、今回の再構築展もその一環として行われました」と栗田講師。

「管財課と解体を担当している西松建設さんの協力を得ながら、旧本部棟と大学8号館の解体現場に学生たちと何度も足を運びました。特に今回受賞した学生2名は、その場所で学んでいた卒業生からもお話を伺い、作品を制作していきました。今回はこのような機会をいただき、感謝いたします」。

現場視察の様子

そして学生に表彰状が手渡されました。今回は、西松建設賞に齊藤真裕さん(芸術教育学科3年)の作品「回想録 ― 探索」、そして学友会賞に石倉聡乃さん(芸術教育学科3年)の作品「窓」が選ばれました。

西松建設賞
学友会賞

西松建設賞の授与を行った西松建設株式会社玉川学園出張所の岩本所長は、「普段なら見向きもされない廃材に着目され、アート作品を制作する取り組みに協力していただき、施行者として感謝申し上げます。展示されたどの作品も素晴らしいものですが、我々の想像を遙かに超えているということで齊藤さんの作品を選ばせていただきました。テーマは深海ということですが、我々が建築を行う際の基礎工事では土丹層と呼ばれる深い地層まで掘ることがあります。この地層はかつて海底だった場所で、貝殻などが出てくることもあります。そういう部分にも非常に共感を覚えました。今後もこのような機会があればぜひ協賛させていただきたいと思っております」とあいさつがありました。

そして学友会賞の授与を行った学友会副会長の平本氏からは「学友会では普段在学生への支援なども行っています。今回審査に立ち会わせていただきましたが、どの作品も甲乙つけがたく、どれか一つを選ぶということは非常に大変でした。そうした中で石倉さんの作品は、窓から見た玉川学園の風景や、それを未来に残したいという部分が評価のポイントになったと思います。実際に解体の現場にも足を運ばれたそうですが、そこで感じたことが素直に表れていると思いますし、窓を媒介に歴史を感じたり、またそれを未来へとつなげていくというような想像力を評価したいと思います」といったあいさつがありました。

表彰状の授与を終えて、学生たちから作品の説明が行われました。

「解体現場に足を踏み入れた際の静かな空気感から深海をイメージしました。そして作品を鑑賞する人は潜水士であり、深海にあるドアから歴史をのぞき込むという設定で制作を進めました。モニタの周囲の廃材は消火栓などを活用しています。今回、卒業生の方からもお話を伺い、解体現場だけでは感じ得なかった世界が広がっているのだと感じたのですが、私自身ももっと学園について知りたいと感じました(齊藤真裕さん)」。

「この作品では旧本部棟や玉川の丘への感謝の気持ちをテーマにしています。四つの窓の一つには、周囲の建物が変わっても変わらず存在する松陰橋を描きました。またもう一つの窓には本部棟とそこで使用された曇りガラス、さらにそこに残されていたタヌキの足跡を描きました。窓を通してさまざまな思い出を見ることができることから、残りの二つの窓枠はこの作品を見る方自身の思い出を感じてほしいと思っています(石倉聡乃さん)」。

表彰式の最後には大野太郎理事から「今回の廃材を使うという取り組みは、非常に興味深いものでした。現在玉川学園では2029年に迎える創立100周年に向けて、その歴史をかたちにしようとさまざまな取り組みを行っています。今回の再構築展も学園の歴史を振り返る、いい取り組みになったと思います」とあいさつがありました。

岩本所長はあいさつの中で「今回使っていただいたのは廃材のほんの一部分ではありますが、そこには解体された何千何万もの部材がもつエネルギーが吹き込まれているのではないかと思います」と、廃材だからこそ感じられる時の流れなどの特徴について触れてくださいました。今回の再構築展をきっかけに、今後も廃材を活用して学生たちがさまざまに発想を広げていくことを願っています。

撮影時のみマスクを外しています

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