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日本農学賞・読売農学賞授与式と受賞者講演会

2024.04.17

一般社団法人日本農学会によって表彰される「日本農学賞:Japan Prize of Agricultural Science 」は、日本の農学研究者における最高の栄誉として長い歴史を紡いでいます。また、「読売農学賞:The Yomiuri Prize of Agricultural Science」は、昭和39年より読売新聞社から授与されていますが、授賞業績の推薦、選考は日本農学会に委任されています。

2024年度「日本農学賞と読売農学賞」の受賞者として、2月に行われた選考会において、玉川大学農学部の小野正人教授(学術研究所 所長)が決定していましたが、4月5日に東京大学弥生講堂において、授与式と受賞者講演が行われました。
研究業績の題目は「生物資源としての真社会性ハチ類に関する基礎と応用研究」で、40年以上にわたる、ミツバチ、マルハナバチ、スズメバチ、アシナガバチを対象とした継続研究が実を結びました。多様な研究業績の中でも特に、ニホンミツバチが天敵スズメバチを包み込んで熱で蒸し殺してしまう「熱殺蜂球」とオオスズメバチの複数成分系の警報フェロモンの発見は、英国のネイチャー誌に論文が掲載され、国際的に高く評価される研究業績として知られています。

日本農学会 大杉立会長から授与
読売新聞社科学部 安田幸一部長から授与
日本農学賞(左)と読売農学賞(右)を授与された小野正人教授
(撮影:野村昌史 千葉大学教授)

受賞者講演では、真社会性ハチ類の理解に重要な雌でありながら子孫をのこさず、また外敵に対して命を厭うことなく向かっていく働きバチが進化した理由について説明し、研究業績の3つの柱とも言える、1.ニホンミツバチの熱殺蜂球―変温動物による発熱防衛行動の発見、2.オオスズメバチの警報フェロモンの発見と刺害回避策の提案、3.日本在来種マルハナバチの施設栽培での利用推進、が豊富な写真や動画を交えて分かり易く紹介されました。講演を終えるにあたり、学生時代からの長きにわたり研究推進に多大なご支援を賜った玉川大学、所属の日本応用動物昆虫学会、志を共にした共同研究者ならびに学生諸氏への謝意が述べられました。講演の後には、この様子を取材・撮影に来ていた日本テレビのスタッフの皆様から、花束が贈られるという嬉しいハプニングもありました。

1.ニホンミツバチの熱殺蜂球
2.威嚇するオオスズメバチ
3.日本在来種マルハナバチの利用
授賞者講演で紹介された主な内容
(撮影:小野正人教授)
パネルディスカッション「農学の課題と展望2024農学の芽を大きく育てるには」の様子
(撮影:野村昌史 千葉大学教授)

最後に、2024年度に授賞した7名の研究者によるパネルディスカッションが行われ、一人ひとりから若手研究者へのエールが投げかけられました。小野教授は「今の時代を生きる若者が、まだ発言できないこれから生まれてくる22世紀の人類の運命のカギを握っている、食料生産だけではなく環境問題にも深く関わる農学のミッションは重要。自分の中にある“夢”を意識し、自身の感性を信じて叶えてみたいという芽を大切に育てて欲しい。」というメッセージを送りました。

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