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玉川大学チーム、ソーラーカー&グリーンフリートカーラリー「WORLD GREEN CHALLENGE 2025」でクラス優勝!

2025.08.21

8月10日(日)~12日(火)、秋田県大潟村のソーラースポーツラインで開催されたソーラーカー&グリーンフリートカーラリー「WORLD GREEN CHALLENGE 2025」で、玉川大学のプロジェクトチームTSCP(Tamagawa Sustainable Chemistry-powered-vehicle Project)がグリーンフリートチャレンジクラスに出場し、見事優勝を果たしました。
自分たちで作り上げたハイブリッド・ソーラーカー「S-Mg concept」で大会に挑んだ学生たちは走行成績だけではなく、プレゼン審査でも最高評価を獲得し、技術力とチームワークでライバルを抑え、栄冠を勝ち取りました。

競技ルール

今大会、玉川大学と同じグリーンフリートチャレンジクラスに参戦したのは7チームでした。同クラスは、環境に配慮した次世代自動車の走行性能を競う競技部門で、ラリーの周回数だけでなく、

  1. 周回ポイント(100点)
  2. グリーンラリー順位点(100点)
    ※走行計画との誤差が少ない方が高評価。
  3. プレゼン審査点(100点)

の3項目の合計300点満点で競われました。

レース概要 日頃の研究開発の成果を発揮し健闘、プレゼンも高評価

初日、2日目は朝や夜間に短時間のスコールのような大雨が降ることもありましたが、日中は晴れと曇りが繰り返される天候で、例年ほどの暑さはありませんでした。1日目は計画通りに9周(225km)を走破。2日目は巡行スピードを高めた結果メカニカルトラブルが発生し、7周(175km)にとどまりましたが、レース終了後に、徹底したアライメント調整を行い、問題を解消することができました。

迎えた3日目、前日分のタイムロスを取り返すためにペースを上げて走行しました。午前中は順調に走行を続けましたが、14時ごろに天候が急変し、大雨でコースが冠水。大会実行委員の判断で、競技途中でのレース終了となりました。それでも3日間合計で23周(575km)を走破し、安定した成果を残すことができました。

また、2日目の午後に行われたプレゼンテーションでは、プロジェクト概要や研究で取り組んでいるテーマ、車両に関する説明などを行い、企業や大会関係者、他の出場チームからの質疑に応え、研究への取り組みや⾞両製作技術について高い評価を得ることができました。

最終的に、玉川大学チームは周回ポイント64点、グリーンラリー順位点24点、プレゼン審査点31点の合計119点を獲得し見事優勝を果たしました。特にプレゼン審査では最高得点を記録しました。

大会結果

  • 大会名  :
    WORLD GREEN CHALLENGE 2025
  • 出場クラス:
    グリーンフリートチャレンジクラス
  • 大会結果 :
    優勝
    周回数:23周(9周+7周+7周) = 575km クラス2位(64点)
    グリーンラリー(走行計画との誤差): クラス3位(24点)
    プレゼンテーション:クラス1位(31点)

大会参加メンバー

斉藤 純 (工学部デザインサイエンス学科教授、チーム代表)
有山 大地 (工学部デザインサイエンス学科助手)
山口 慧二 (工学部エンジニアリングデザイン学科4年、学生代表)
山口 陽太 (工学部エンジニアリングデザイン学科4年、学生副代表)
坂之上 大熙 (工学部エンジニアリングデザイン学科4年)
間々田 瑞稀 (工学部エンジニアリングデザイン学科4年)
野村 茂穂 (工学部エンジニアリングデザイン学科4年)
小島 達也 (工学部デザインサイエンス学科3年)
富田 仁之介 (工学部デザインサイエンス学科3年)
田中 陽翔 (工学部デザインサイエンス学科3年)
田山 直輝 (工学部デザインサイエンス学科3年)

学生代表 山口 慧二さんのコメント

大会参加に向け、試験走行を重ねて車両の運転やメンテナンスの習熟度を高めました。大会中のピットでは基本メンテナンスやドライバー交代作業、エネルギーミックス充電システムに関する作業にしっかり取り組むことができました。
ドライバーの安定した走行やプレゼン発表担当者の頑張りもあってグリーンフリートチャレンジクラスで優勝することができました。天候の変化などもあり大変な大会でしたが、最終的に良い結果をつかむことができたことにチームメンバーにとても感謝しています。

完成度と信頼性を高めたハイブリッド・ソーラーカー「S-Mg concept」と開発が進むエネルギーミックス型充電システム

昨年度から学内外で試験走行を重ねて車両の完成度と信頼性を高めてきました。また、メカニカルチャージ方式マグネシウム空気電池と充電システムの開発と研究を重ねました。

車両が走行するのと並行して、ピットに配置したエネルギーミックス型充電システム(太陽電池とメカニカルチャージ方式マグネシウム空気電池の併用)でバッテリーを充電し、走行車両のバッテリー残量が少なくなってきたら交換する方式で運用しました。

2セット用意したバッテリーの1セットは走行する車両の電源として利用し、もう1セットはピットにてエネルギーミックス型充電システムで充電しました。車両が走行している時間でバッテリーを十分に充電できるようにシステム容量を設計し、コースを3周(75km)するごとにバッテリー交換とドライバー交代を行いました。

この充電システムの利点は、バッテリーが小容量であっても高い充電状態を維持できるので巡航スピードを高められることです。また、車両を小型化して省エネルギーにすることで、バッテリーの小型化も実現しました。今大会では、50〜60km/h程度の巡航速度で安定した周回を重ね、エネルギーミックス型充電システムは車両走行に十分な充電をすることができました。一方で、開発中のメカニカルチャージ方式マグネシウム空気電池は計画に近い発電が得られたものの、改善点も明らかになり、次の研究開発への課題も見えてきました。

地球環境に優しい、持続可能なエネルギー社会の実現を目指して

現在研究しているハイブリッド・ソーラーカー「S-Mg concept」は、都市部の小型モビリティの運用における低炭素化のために、再生可能エネルギーや資源循環型エネルギーを活用することを目指す実験車両です。

特に電極として使用しているマグネシウムは海から回収できる資源であり、発電後の副生成物からまた再精錬することも可能です。将来的に回収や再精錬に必要なエネルギーを再生可能エネルギーで賄うことができれば、地球環境に優しい循環利用可能なエネルギーキャリアの実現が期待されています。

TSCPは、再生可能エネルギーおよび省エネルギー技術に寄与する車両の研究・開発を通し、太陽光に加えてマグネシウムなどを使用した持続可能なエネルギー社会の実現を目指していきます。これからも応援よろしくお願いいたします。

最後に、「S-Mg concept」の充電システム用のメカニカルチャージ方式マグネシウム空気電池開発にあたり、藤倉コンポジット株式会社より 電極 をご提供いただきました。学生の夢の実現に向けて、ご協力いただきましたことに、あらためて感謝申し上げます。

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