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玉川大学チームが2連覇を達成!ソーラーカー&グリーンフリートカーラリー「WORLD GREEN CHALLENGE 2026」でクラス優勝!

2026.08.18

8月9日(日)~11日(火・祝)、秋田県大潟村のソーラースポーツラインで開催されたソーラーカー&グリーンフリートカーラリー「WORLD GREEN CHALLENGE 2026」で、玉川大学のプロジェクトチームTSCP(Tamagawa Sustainable Chemistry-powered-vehicle Project)がグリーンフリートチャレンジクラスに出場し、見事クラス優勝、2連覇を達成しました。

学生たちは自分たちで作り上げたハイブリッド・ソーラーカー「S-Mg concept」とエネルギーミックス型充電システムで大会に挑戦。走行成績に加え、プレゼンテーション審査でも最高評価を獲得し、技術力とチームワークを発揮して栄冠を勝ち取りました。

また、大会2日目には、産学連携による研究で海水から取り出したマグネシウムを合金化して製作したマグネシウム空気電池用電極を、発電システムの電極の一部に使用して走行用バッテリーを充電し、実際に車両を走行させる実証試験を行いました。

  • (一社)循環社会推進協議会のメンバー企業 藤倉コンポジット(株)、(株)戸畑製作所、第一高周波工業(株)、(株)日本海水、国立大学法人東北大学多元物質科学研究所材料分離プロセス研究分野(教授:柴田浩幸)、学校法人玉川大学工学部デザインサイエンス学科(教授:斉藤純)

競技ルール

グリーンフリートチャレンジクラスは、環境に配慮した次世代自動車の走行性能を競う競技部門で、走行周回数などをポイント化し、

1.周回ポイント
2.プレゼン審査点
3.グリーンラリー順位点
  ※走行計画との誤差が少ない方が高評価。

の3項目の合計ポイントで競われました。

レース概要

ソーラースポーツラインは一周25kmのコースですが、今年は6kmのショートコースで開催されました。

  • 1日目
    天候は晴天で、「S-Mg concept」はドライバーの習熟度に応じてペース配分して走行しました。約2時間ごとにドライバーと走行用バッテリーを交換。新しく導入したダイレクトドライブモーターの特性も車両にマッチしており、48周(288km)を走行。
  • 2日目
    2日目も晴天で暑い日が続きます。新たな挑戦として走行用バッテリー充電用のマグネシウム電極の一部に海水由来のマグネシウム電極を使用しました。関係者が見守る中で発電を行い、問題なくバッテリーが充電できていることが確認できました。11時から技術プレゼンテーションを行い、日頃からの研究や車両開発をメンバー全員で揃って発表しました。「S-Mg concept」は巡航速度60km/h前後で順調に走行。1度タイヤパンクが発生しましたが、短時間で対処して走行に復帰しました。61周(366km)を走行。この時点で昨年大会の走行距離を上回ることが出来ました。
  • 3日目
    接近していた台風が逸れたこともあり薄曇りと晴れ間が繰り返される天候で強い風が吹く状況。晴れ間のタイミングを見計らったエネルギーマネージメントで走行を続け、多くのチームがバッテリー残量不足でペースを落とす中、計画に沿ったペースを維持して走行し、後半は逆にペースアップしながらゴールを迎えました。53周(318km)走行。

車両走行はアップデートの効果により信頼性が格段に向上しました。エネルギー変換効率も向上し、競技用ソーラーカーに迫る55~65km/h程度の巡行速度で走行することが出来ました。
また、研究開発中のメカニカルチャージ方式マグネシウム空気電池を併用したエネルギーミックス充電システムは概ね計画通りに動作し、改善点も明らかになりました。

大会結果

大会名 WORLD GREEN CHALLENGE 2026
出場クラス グリーンフリートチャレンジクラス
大会結果 クラス優勝
周回数 162周(48周+61周+53周) = 972km:クラス2位(短縮コース6km)
プレゼンテーション: クラス1位
グリーンラリー(走行計画との誤差): クラス3位

大会参加メンバー

斉藤 純(工学部デザインサイエンス学科教授、チーム代表)
有山 大地(工学部デザインサイエンス学科助手)
小島 達也(工学部デザインサイエンス学科4年、学生代表、ドライバー)
田中 陽翔(工学部デザインサイエンス学科4年、学生副代表、ドライバー)
富田 仁之介(工学部デザインサイエンス学科4年、ドライバー)
田山 直輝(工学部デザインサイエンス学科4年)
谷口 雄岳(工学部デザインサイエンス学科3年、ドライバー)
菱川 善朝(工学部デザインサイエンス学科3年)
安村 脩(工学部デザインサイエンス学科3年)
渡部 勇気(工学部デザインサイエンス学科3年)

学生副代表 田中 陽翔さんのコメント

大会に向けて、チームメンバーと協力して「S-Mg concept」の部品やシャーシを設計・製作しました。事前練習した甲斐もあり、車体メンテナンスやドライバー交代、エネルギーミックス充電システムの運用が大会中にも日に日に上達していった実感があります。
今大会では昨年に比べて「S-Mg concept」のトラブルがほとんどなく、ドライバーやピットのメンバーも安心してそれぞれの役割に集中することができました。また、新たな取り組みとして、海水由来のマグネシウム電極で発電した電力で車両を走らせるという貴重な体験もできました。
2連覇という大きな目標を掲げて大会に臨み、無事に達成できたことをとても嬉しく思います。ここまで苦楽を共にしてきたチームメンバーや、支えてくださった先生方にとても感謝しています。

開発が進む、ハイブリッド・ソーラーカー「S-Mg concept」とエネルギーミックス型充電システム

車両は新シャーシの製作を進めることと並行して、まずは今大会に向け、車両特性に適合したダイレクトドライブタイプのモーターを左右の後輪に独立懸架するために改造して装着しました。車両の走行領域のエネルギー変換効率が改善されるとともに、直接動力伝達になるため、昨年大会で起こった駆動系のトラブルを解消することができました。また、走行用バッテリーを充電するためのメカニカルチャージ方式マグネシウム空気電池は、電池セルの製作品質を高めることでトラブルが生じる可能性を最小化する改良を進めてきました。

本大会では車両が走行するのと並行して、ピットに配置したエネルギーミックス型充電システム(太陽電池とメカニカルチャージ方式マグネシウム空気電池の併用)でバッテリーを充電し、走行車両のバッテリー残量が少なくなってきたら交換する方式で運用しました。2セット用意したバッテリーの1セットは走行する車両の電源として利用し、もう1セットはピットにてエネルギーミックス型充電システムで充電しました。車両が走行している時間でバッテリーを十分に充電できるようにシステム容量を設計し、巡航速度に応じて1.5~2時間ごとにバッテリー交換とドライバー交代を行いました。

この充電システムの利点は、バッテリーが小容量であっても高い充電状態を維持できるので巡航スピードを高められることです。また、車両を小型化して省エネルギーにすることで、バッテリーの小型化も実現しました。今大会では、55〜65km/h程度の巡航速度で安定した周回を重ね、エネルギーミックス型充電システムは車両走行に十分な充電をすることができました。一方で、開発中のメカニカルチャージ方式マグネシウム空気電池の補器類の改善点も明らかになり、次の研究開発への課題も見えてきました。

地球環境に優しい、持続可能なエネルギー社会の実現を目指して

現在研究しているハイブリッド・ソーラーカー「S-Mg concept」は、都市部の小型モビリティの運用における低炭素化とエネルギー多様化の追求のために、再生可能エネルギーや資源循環型エネルギーを活用することを目指す実験車両です。

特に電極として使用しているマグネシウムは今回実証試験を行った海水由来電極のように海から回収できる資源であり、発電後の副生成物からまた再精錬することも可能です。将来的に回収や再精錬に必要なエネルギーを再生可能エネルギーで賄うことができれば、地球環境に優しい循環利用可能なエネルギーキャリアの実現が期待されています。

TSCPは、再生可能エネルギーおよび省エネルギー技術に寄与する車両の研究・開発を通し、太陽光に加えてマグネシウムなどを使用した持続可能なエネルギー社会の実現を目指していきます。これからも応援よろしくお願いいたします。

最後に、「S-Mg concept」の充電システム用のメカニカルチャージ方式マグネシウム空気電池開発にあたり、藤倉コンポジット株式会社より各電極をご提供いただきました。学生の夢の実現に向けて、ご協力いただきましたことに、あらためて感謝申し上げます。

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